【第4回】見た目も気持ちもグレードアップ!「いつもと変える」が生む効果。

『プルミエメ』の秋メニュー「モンパン」:鈴江先生提供

こんにちは。manavi編集部です。

『SUZU PR COMPANY』代表の鈴江恵子先生へのインタビューも、今回でいよいよ最終回です。

前回の記事では、広報やマーケティングに求められる力や、それらを養うためのご家庭での取り組みについて考えました。

今回は、先生がお仕事の内外で感じた「文化の違い」や「食事の楽しみ方」について、そして先生が運営されているカフェ『プルミエメ』についてもお聞きしていきます。

それでは鈴江先生、よろしくお願いいたします。

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バカンス中に暇すぎて倒れる?フランスでのお仕事で感じたこと

学生時代のエピソードを伺った際に、「⼤学の卒業旅⾏でヨーロッパ4カ国を周り、最もフランスに惹かれた」とおっしゃられていた鈴江先生。

なんとその後の一時期、フランスに滞在してお仕事をされていたようです。フランスは、料理やお菓子のバリエーションが豊かなイメージもあります。

日本とは異なる文化を持つフランスでの生活とお仕事が、先生にどのような「視野や知⾒の広がり」をもたらしたのでしょうか。最初の質問は「日本とフランスの仕事の仕方の違い」について伺ってみましょう。

先⽣はフランスでもお仕事をされていたと伺っていますが、仕事の仕⽅で⽇本とフランスでは違いなどありますか?

滞在中にしていた仕事は、主な対象がフランス⼈ではありませんでしたが、フランス社会ではとにかく意⾒や主張、そして⾃分をしっかり持っていなければ対等に取引することはできません。

⽂化の違いからくる違いは⽇仏どちらが良いということもなく、仕事以外でも様々なシーンでありましたが、私の場合はその違いを発⾒し理解して、郷に⼊れば郷に従えで楽しむようにしていました。

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時間に関する考え⽅は明らかに違っていて、メール対応が⽇本⼈の感覚にはないほど遅かったり、前が押してアポイントの時間から数時間待たされたり。プライベートでも、⾷事に招かれた際に、約束の時間より早かったりちょうどに⾏くのは逆に失礼に当たり、遅れていくのが礼儀というのも、初めて教えてもらった時には興味深い体験でした。電⾞が遅れたり⽌まったりすることも⽇常茶飯事で驚くこともありません。

仕事よりもバカンスへの⼒の注ぎようや、⾃宅での楽しみ⽅や、休みの⽇の過ごし⽅など、お⾦よりも時間をかけて豊かな⽣活を過ごすという点では、とても学びがありました。初めてバカンスに⾏った時には休みに慣れず時間の使い⽅が下⼿すぎるあまりに、暇すぎて倒れそうになりました。(笑)

フランスのニュースも流し⾒程度にチェックしていますが、同じニュースが⽇仏で取り上げられ⽅が全く違ったりする点や、⽇本の特集で取り上げられる題材も興味深いです。



バカンスのような長期休暇や、それを前提とした働き方は、日本では浸透していない考え方ですよね。

時間や休暇に関する文化的違い、それに伴った働き方の違いが目立つとのことでした。こうした違いも「理解して、郷に⼊れば郷に従えで楽しむ」という言葉は、素敵な考え方だなあと思います。

フランスではバカンスとして、数週間から1カ月以上もの期間、長期休暇を取るのが一般的なようです。日本で多くの人がフランス流の休暇を過ごすためには、社会の制度を根本から変える必要もありそうで、なかなか難しいようにも思えます。

休暇の時期や長さに限らず、自分に合ったワークスタイル、ライフスタイルを日本で得るのが難しいのならば、海外で実現する、というのも職業選びにおける選択肢のひとつなのかもしれません。

また、海外での生活において文化の違いを乗り越え、楽しむまでに至るためには、「そこで何をしたいのか」というはっきりした目的意識を持つことも重要でしょう。語学力を磨くなど、事前準備や現地での努力も大切になると思います。

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「いつもと変える」を食事に取り入れよう

広報・PRという職業柄、様々なお店・サービスのリサーチを行い、日々
「そうなんだ!すごい!知らなかった!」 を探していらっしゃる先生ですが、その中には、一般的なご家庭でのトライが可能な物があったりするのでしょうか。

次の質問は、ご家庭での「食事の楽しみ方」について質問したいと思います。

⾷のお仕事をされていると、外⾷も多くなるのではと思います。家庭で「これはやっていただきたい!」というレシピや⾷事の楽しみ⽅はありますか?

朝昼は仕事柄もあり外⾷が多いのですが、夜は基本的に⾃宅で作って⾷べることがほとんどです。

外⾷では、シェフやお店のスタッフさんとの会話も楽しみで、気になったものの使っている素材やレシピを無理のない範囲で教えてもらい⾃宅で再現してみたりすることも楽しみのひとつです。

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フランスでは⾃宅に招かれることも多く、みんな招き上⼿で学ぶことがたくさんありました。その影響もあってか、帰国してからは、友⼈を招いてのごはんや、無になれる深夜のお菓⼦作りが昔から密かな趣味です。⼤勢の時はドーンと塊⾁を焼いたりインパクトのあるオーブン料理をよく作ります。

⽇常の⾷事の楽しみ⽅としては、同じ内容でも、いつもとお⽫を変えてみたり、彩をカラフルにして栄養バランスを良くすることををいつも⼼がけています。⼦どもの頃は、⾷べる場所をいつものダイニングの⾷卓からリビングの⾷卓やテラスに変えることが時々あり、それだけでワクワクしていたのを思い出します。

『プルミエメ』では、コンセプトに合わせて「ちょっとよそゆき」感を出すために使⽤している雰囲気のあるお⽫やフランスのアンティークカトラリーがありますが、おうちのシンプルなカレーをのせてアンティークスプーンで⾷べると、⾒た⽬はもちろん、美味しさも気分も⼀気にグレードアップしてくれておすすめです。



料理を味わうだけでなく、お店を参考にして自分で作ったり、シェアしたり、飾りつけたりという楽しみ方もあるんですね!

ご家庭でも実践できそうなヒントがたくさんありました。準備や盛り付けだったり、調理した人や一緒にいただく人との会話だったりを含めて「食事を楽しむ」ことと言えるかもしれません。

一方で近年、家族別々に食事をとる「孤食」の形態も問題になっています。家庭内のコミュニケーションの機会が減るだけでなく、嫌いなものを残して栄養バランスが偏ってしまったり、正しい食事のマナーが身につかないという影響もあります。

ご家庭によっては、コストや効率を優先することも多くなりがちだとは思いますが、毎回、毎食は難しくとも、「たまには家族で食卓を囲もうか」「今日はみんなで料理を作ろう」といった声かけで「家族で食事を楽しむ」という機会を設けるのはいかがでしょうか。

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カフェ『プルミエメ』のコンセプトは?

連載最後の質問は、鈴江先生が運営するカフェ『プルミエメ』について、詳しくお聞きしたいと思います。

どのようなコンセプトや志を持って運営されているのか、伺ってみましょう。

代々⽊公園近くにオープンされた『プルミエメ』ですが、お客様に喜んでもらえるために⼯夫したところ、「ここは楽しんで欲しい」と思われているところなどあれば教えてください。

プルミエメではあえて看板を掲げていません。

そのこともPR戦略のひとつであり、予測通り“看板のないカフェ”として情報がひとりでに拡散されています。

建物が⼊るのに勇気がいるようなかなり古めかしいビルのため、不安に思いながら階段を上がり、重い鉄のドアを恐る恐る開けると、まだ全体は⾒えない通路があり、奥に進むと⾮⽇常な別世界が広がっている、そんな隠れ家感と意外性を狙っています。

知っている⽅しか辿り着けない、⽬的来店のみが売り上げの対象となるため、経営的にはドキドキでもありますがこのまま継続予定です。

どこにあるのかわかりづらい化粧室もあえてサインを付けていません。ドアの中に隠し扉のように溶けこませており、毎回説明が必要ですが、そちらも⼀⽬でわからないことにより、スタッフとのコミュニケーションが⽣まれ、驚きと共に楽しんでいただいています。

『プルミエメ』の店舗内イメージ:鈴江先生提供

また奥には⼀般のお客様には⾒えない形で予約可能な有料個室もご⽤意しています。

さらにメニューが QR コードしかなかったり、電話を設置していなかったり、現⾦を扱わずキャッシュレス決済のみだったりと、驚かれることもありますが、この流れはコロナ禍の配慮や効率化を狙っています。

「ちょっとよそゆきの朝ごはん」のコンセプトのもと、鉄板調理にこだわったメニューはもちろんですが、上記のような点も楽しんでいただけたら嬉しく思います。

お客さんの来店時からお店で過ごす時間、決済時に至るまで、カスタマージャーニーが綿密に練られているのが分かりました。

機会がございましたらぜひご来店をお待ちいたしております。

『プルミエメ』の情報は⇨こちらから

一般的なカフェではあまり見かけない個性、挑戦的な取り組みも多く、PR・広報のプロとしての鈴江先生の手腕が光っています。今後の展開にも注目したいですね!

本連載で伺ったお話しを参考に、お子様が将来就きたい職業に関して「どんな風に働きたいのか」、「周りの人にどうなって欲しいのか」や、さらに一歩進んで、「その実現のために、今からできることはなにか」を親子で考えるきっかけにしていただければ幸いです。

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学びのヒント

鈴江先生、4回に渡ってありがとうございました。

今回のインタビューから、以下のような学びのヒントが得られたと思います。

ヒント

「いつもと違うワクワク」を取り入れて、学びの質をグレードアップさせよう

ちょっとよそゆき」というコンセプトにあるように、 『プルミエメ』には、 お客さんがそこにお金をかけたくなる価値として、「いつもと違うワクワク」や「上質なものを使うという喜び」といったものが存在していると思います。

お子様の学びにおいても同様に、「いつもと違うワクワク」を、時にはお金や時間をかけて、保護者が演出してあげることに価値があるのではないでしょうか。

問題集に1ページずつ取り組む、毎日教科書を読んで語句を覚えるといった繰り返しの勉強を通して、学習習慣を身につけることは大切ですが、無味乾燥な作業になってしまうのもよくありません。

例えば、勉強する場所や筆記用具を時々変えてみる。あるいは、週に1度は保護者が聞き手になって、お子様には先生の気分で勉強したことを教えてもらうというのも面白そうです。定期的に新しい教材を試すのも良いと思います。皆様のご家庭でも、お子様の学びの意欲や質の向上に期待して、「いつもと違うワクワク」を取り入れてみてはいかがでしょうか。

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manaviおすすめの本

今回の記事に関連したおすすめの書籍をご紹介させていただきます。

関連書籍

百人一首新事典

★「小倉百人一首」を一首ずつ1ページ(一部2ページ)でマンガとともに,くわしく解説しています。

★各短歌の作者の紹介,短歌の意味,短歌の解説,短歌に出てくる語句の解説,出典(どの和歌集から選ばれたか)などをまとめています。

★「小倉百人一首」の解説や短歌(和歌)の文法の解説などを設け,カルタでの遊び方(坊主めくりや競技カルタなど)を紹介しています。

★「小倉百人一首」に関するコラムや,短歌に出てくる地名などを地図で示したページを設けています。

詳しくはこちらから

今回の記事で話題になった海外の文化を理解するためには、比較対象である自国の日本文化の理解も重要になると思います。「日本文化の理解に役立つ」「競技性があり、普段と違ったワクワクとともに学べる」という観点から、百人一首の勉強に役立つ百人一首新事典をご紹介させていただきました。

本書は、歴史の教科書にも頻出するような人物が、どのような想いを込めて詠んだ歌なのか、マンガという視覚的な補助を交えつつ、百人一首の理解が進むような構成になっています。

百人一首は、国文法や歴史の学びの要素以外にも、札に描かている日本画に注目すれば、美術的な学びの要素も含まれています。「将来は海外で活躍したい!」と考えているお子様にこそ、日本文化の象徴として学んでいただければと思います。

今回の賢者

鈴江 恵子

高知県生まれ。
フランスに5年間滞在後、中川政七商店で社内広報を努める。
2015年に独立しSUZU PR COMPANYを設立。幅広い分野のクライアントのPRをサポートしながら、2021年にPRと食を絡めた”ちょっとよそゆきの朝ごはん”を提供するカフェ「プルミエメ」をオープン。これまでにないPRの手法を模索している。

鈴江先生の詳しい情報はこちらから

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