量をこなすだけは勿体ない?勉強の質を高めて定期テストを乗り越えよう!

9月に入りましたが、まだまだ暑い日が続いていますね。

お子様は夏休みを有意義に過ごされましたか?

自分の立てた予定が上手く消化できず、「タイムマシンで夏休み前からやり直す!」なんて言っている中学生時代の私のようになっていませんか。


さて、秋といえば「読書の秋」「食欲の秋」「スポーツの秋」などなどいろいろな呼称がありますよね。

しかし、中学生にとっては「定期テストの秋」になるかもしれません。いや、なります。

多くの学校では10月に中間テスト、11月に期末テストが控えていることでしょう。

今回の記事では、主に秋に行われる中間テストに向けてどんな心構えで、どこに時間をかけて勉強をしたら良いのかを皆さんと考えていけたらと思います。



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2学期の定期テストへの心構え

さて、お子様は1学期の定期テスト期間にどんな勉強を、どれくらいしていましたか?


1学期の定期テストで何となく自分なりの勉強スタイルを見出せたお子様もいれば、依然としてどう勉強したら良いか暗中模索状態のお子様もいます。

ただ、お子様が1学期の定期テストで上手く勉強のスタイルが掴めず、得点が伸びていなかったからと過度に焦る必要はありません。

大切なのは、1学期の試験で「どんな問題が出題されたのか?」「どこから問題が出題されたのか?」を冷静に振り返り、2学期の試験で何の勉強に時間をかければ得点を伸ばせるのかをじっくりと考えてみることです。

定期テストの勉強はとにかく長時間勉強していれば良いというわけではなく、ピンポイントで、いかに短時間で効率よく成果を上げるかを追求した方がベターだと思います。


「やみくもに勉強量をこなす」「とにかく長時間勉強する」という勉強スタイルは保護者の皆さまからすると、勉強している感が見えやすいので安心するかもしれません。

しかし、大切なのは「勉強の質」を担保することであり、自分の理解度や進度を分析し、それに応じた学習計画を立て、遂行できるようになることです。

勉強に苦手意識がある、あるいは勉強する習慣がついていないお子様ほど長時間机に向かって勉強することは苦に感じられるものです。

ですので、質の高い勉強をすることによって「短い時間で得点を伸ばす」を意識していただきたいと思います。

得点が伸びてくると、勉強のモチベーションが湧き、徐々に長い時間勉強することも苦ではなくなっていくという好循環が生まれます。

と、少し私の「理想」も交えてお話してしまったのですが、現実問題「短い時間で得点を伸ばす」なんて簡単に言われても…ですよね。

そこで、ここからはもう少し具体的にどの教科に、どれくらい時間をかけるべきなのかというお話をさせていただきます。

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「あの教科」のテスト、勉強せずに受けてない?

お子様は定期テストでどの教科に時間をかけていますか?または、かけていましたか?

この質問をすると、多くのお子様が「社会」や「理科」を挙げるのではないでしょうか。

この2つは暗記要素が非常に強い教科ですので、時間をかける必要がありますし、実際に多くのお子様が復習に時間を割いていると思います。

この2教科は、教科書やノートなどを見ながら授業で習ったところを振り返っていくことを基本として、『自由自在』の解説ページや『まとめ上手 中1』のような要点が端的にまとめられた書籍を活用するのも良いでしょう。

https://www.zoshindo.co.jp/junior/367/9784424636700.html


一方で「理科」や「社会」には時間をかける一方で、意外と時間をかけない、あるいはほとんど勉強しないというお子様もいるのが「国語」「英語」ですね。

この2つは復習をしようにも、どう復習したらよいのか分からないというお子様も多いかもしれません。

ぜひ「国語や英語はテスト期間にどんな勉強したの?」を聞いてみてください。

お子様が「とりあえず教科書読んだだけ。」と答えたとしたら、それは「伸びしろ」ですね!


私も実は中学1年生の時に「国語」の勉強法が分からず、いわゆる「ノー勉」に近い状態でテストに臨んでいた時期があるんですが、その頃は60点~70点ほどしか取れませんでした。

しかし、高得点を取っている友人に話を聞きながら、対策をするようにしたところ80点を下回ることはなくなり、良い時には90点付近を伺えるようになったのです。

20~30点も伸びているんだから、相当時間をかけて勉強したのだろうと思われるかもしれませんが、実はそれほど時間をかけていません。

「理科」や「社会」は暗記要素が強いので、復習に時間をかければ、当然得点を伸ばせるのですが、なかなか「短い時間で」というのは難しいですよね。

一方の「国語」や「英語」は、勉強しないお子様も多い中で、質の高い勉強を意識すると、「短い時間で得点を伸ばす」ことも可能な教科なのです。

では、「国語」と「英語」についてそれぞれ具体的な勉強の内容を、それぞれの教科の『中学 自由自在』担当編集者にインタビューしながら考えていこうと思います。

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「国語」:教科書の「読み直し」をしましょう!

国語の定期テストですが、まずは大別するとどんな要素に分けられるでしょうか。

中学1年生のこの時期の定期テストだと「現代文」「古文」「漢字」「文法」が主なテストの構成要素です。

なるほど。この中で得点を取りやすいのは、やはり「漢字」ですか?

そうですね。「漢字」は出題範囲が決まっていて、覚えなければならない分量もそれほど多くありません。

先生の裁量によりますが100点のうちの10点~20点くらいは「漢字」に割り当てられると思いますので、ここで点を落とさないようにすることが国語の得点を伸ばすための最初のステップでしょう。

もう1つ「文法」もルールや決まりをきちんと覚えておけば難なく得点を重ねられる分野です。

学校で配られているワークを見直し、理解が浅いところについては『中学 自由自在 国語』のような解説が手厚い参考書の該当箇所を読んで、例題を解いてみて、テストまでに理解を深めておきましょう。

国語でも、まずは暗記要素が強い分野から攻めていくのがセオリーなのですね。

ここまでで30点くらいは確保できそうですが、さらに得点を伸ばすには当然「現代文」や「古文」といったいわゆる教科書本文のところの復習が欠かせないですよね?

もちろんです。とは言っても「古文」の方は少し特殊で、勉強のアプローチとしては英語に近くなるかもしれません。

本文を読んで、現代語の意味が頭に浮かぶか、先生が授業中に説明していた重要な表現や文構造を含む箇所を理解しているかを1つ1つ確かめていく必要があります。

そう聞くと、「古文」の勉強は本文と現代語訳をセットで暗記してしまうのが、手っ取り早い気もするのですが…。

定期テスト対策だけの話であれば、それで十分かもしれません。

しかし、その勉強法だと実力テストや模試、入試等で初見の古文に直面した時に全く対応できなくなってしまいます。しかも、お手本の現代語訳をインプットするのは、時間もかかりますよね。

ですので、授業中に先生が重要だと説明していた本文中の古文単語や文構造をピンポイントでインプットしていき、それに基づいて自分の言葉で本文を現代語にできるかを1つの目安にして勉強を進めると良いと思います。

完璧なお手本通りの現代語訳である必要はなく、ニュアンスさえズレていなければ問題ありません。

こちらの方が短い時間でより記憶に残りますし、定期テストでのインプットが他の試験にも活かされるはずです。

なるほど定期テストだけでなく、他のテストでも活きる勉強法という視点も大切なのですね。

はい。同様に「現代文」でも授業ノートに書いたことをとにかく暗記するというお子様がいらっしゃいますが、これも少し視点を変えるだけで、もっと効果的な勉強に変わります。

国語の定期テストの勉強では、「教科書本文をとりあえず読んでおく」だけというお子様も多いですが、ただ読んでいるだけでは効果は出づらいですね。きちんと「読み直し」をすることが重要です。

「読み直し」ですか?

単に本文を読むだけでなくて、自分のノートに書いた読解のポイントや観点に基づいて、授業中に取り組んだ読解をもう1度自分でやってみることが、ここで言うところの「読み直し」です。

例えば、物語文で「○○の心情」を授業中に読み取り、ノートに書いたとします。

ここで、「○○の心情=△△△」という結果の部分だけをインプットするのは、ただの暗記であり、「読み直し」ではありません。

なぜ、「○○の心情=△△△」になったのかを本文を読みながら自分の中で整理し、改めて納得することが「読み直し」なのです。

こうした「読み直し」をしておくと、定期テストで得点を伸ばせることはもちろんとして、初見の文章を読解する際にも活きる力が備わっていきます。

試験期間に1回だけでも良いので、少し時間を取って「読み直し」をしてみてください。

1回だけなら、それほど時間をかけずに取り組めそうです!

国語の定期試験対策のポイント

①まずは「漢字」や「文法」などの暗記要素の強い分野をしっかりと固める。
②「現代文」はノートを見返しながら、授業中に取り組んだ読解のプロセスを思い出しながら自分でもう1度やってみる。
③「古文」は本文中の重要な単語や表現、文構造をピンポイントでインプットし、本文を自分の言葉で現代語にしてみる。

いきなり全部は難しければ、①から順番に1つずつ始めてみましょう!

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「英語」:丸暗記せず、ピンポイントでインプットを意識しよう!

英語の定期テストですが、まずは大別するとどんな要素に分けられるでしょうか。

中学1年生の定期テストだと、「リスニング」「文法」「本文」が主な要素になると思います。

「リスニング」は対策が難しそうですね…。

「リスニング」の場合は定期テストであっても、授業で扱われていない英文やダイアログが流れたりするので、ピンポイントで対策するのも難しいですね。

「リスニング」は一朝一夕で力がつくものではなく、積み重ねが重要になります。テスト期間は、とにかく毎日短い時間でも良いので、教科書の本文の音声を聞いておくという習慣をつけておくと良いと思います。

新課程の教科書は、QRコードで音声を聞けるものもあるので、手軽に英語の音に触れられるのが良いですね。

「リスニング」については、継続は力なりということですね!他の分野はどうでしょうか?

次に「文法」ですね。教科書の基本文の段階では理解できたと思っていても、文脈が変わると途端に理解できなくなる場合があります。

例えば、教科書本文で「We are junior high school students.」という英文が登場して、その意味が「私たちは中学生です。」だということは掴めていたとします。

しかし、これが「I and Judy ( ) junior high school students」という英文になって、( )に当てはまる語を問われたときに、「are」とすんなり答えられないなんてことが起こり得るんですね。

「We」が「私を含む1人称複数の主語」であり、その場合はbe動詞「are」を用いるという一般化されたルールとして文法を理解できていれば、「I and Judy」も同様であると分かりますから間違えない問題です。

ただ、教科書の文脈に依存し、文法のルールを一般化されたものとして理解できていないとこうしたことがテストで起きてしまいます。

なるほど。「文法」については教科書本文だけで理解したつもりになっていると、テストで躓いてしまうということですね。

その通りです。これを防ぐために教科書付属のワークの練習問題、余裕があれば『中学 自由自在 英語』の英文を読んだり、練習問題に取り組んだりしながら、教科書とは異なる文脈での文法に慣れておきましょう。

https://www.zoshindo.co.jp/junior/301/9784424636328.html

あとは、いわゆる「教科書本文」のところでしょうか?

そうですね。中学1年生の教科書レベルですと、本文が短いということもあり、私自身も音声を聞いたり、音読したりしながらほとんど「丸暗記」に近い状態で臨んでいた記憶があります。

保護者の皆さんの中にもそうしたイメージがある方が多いんじゃないかなと思うのですが、ぜひ新課程の中学英語の教科書をご覧になってみてください。

小学校で英語を教科として扱うようになった都合もあり、中学校の教科書の本文は語数がかなり増えてきています。

確かに中学1年生で、もうこの分量の英文を読むんだ…という印象でした。英語が得意ならまだしも、あまり得意でないと感じているお子様に「丸暗記」は現実的ではない気がしますね。

その通りだと思います。

ですので、覚えるのは側注の「新出単語・新出表現」「基本文(key sentence)」を優先しましょう。

これを押さえておけば、少なくとも本文を読んだときに意味が分からないなんてことにはなりません。

その上で、スキマ時間で音読に取り組みましょう。

この時、お手本の音声ただ英語を聞き流したり、口に出したりするだけではもったいないので、英文の流れや日本語での大まかな意味を意識しながら取り組んでください。

「丸暗記」してやろうと時間をかけすぎなくても大丈夫です。

音読や英文を読み直す際に、ここは特に注目しておきたいといったポイントはありますか?

細かいですが「前置詞」には注目しておいた方が良いかもしれません。

日本語訳にしてしまうと区別がつけづらいので、英文の段階で意識しておくと、得点の上積みに繋がることもあります。

英語の定期試験対策のポイント

①「本文」についてはとにかく単語・表現と基本文だけはインプットしておく。
②「本文」全体をスキマ時間などに流れや大まかな意味を頭に浮かべながら音読する。
③「文法」は教科書本文とは異なる文脈の中で理解度を確認しておく。
④「リスニング」は本文の音声で良いので、毎日短い時間でも英語を耳に入れる。

いきなり全てやるのは難しいと思いますので、焦らず①から順番に1つずつ取り組んでみてください!

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「定期テストのため」だけの勉強にはしない!


中学1年生の最初の中間テスト、期末テストの範囲くらいであれば、とにかく覚えてテストに臨むという「量」重視の勉強法でも何とかテスト期間内に終わらせることができたかもしれません。

しかし、定期テストは回を追うごとに難易度も上昇し、テスト範囲も広くなっていきます。

そのため教科書の内容を全部暗記して…というのも難しくなるでしょう。そうなったときに、勉強の量でカバーしようとするのは、ハードルが高いです。

ですので、今回ご紹介したように教科ごとの勉強時間の配分や覚えるポイントを絞り、「勉強の質」を高めることで、できるだけ短い時間で得点を伸ばす方を選んでいただけたらと思います。


「国語」や「英語」は定期テストに向けての勉強がしづらい教科だとは思います。一方で、少しの復習で差がつきやすい教科でもあるのです。

ぜひ、今回の記事で紹介したような方法で、少しでも時間を取って、取り組んでみてください。

とにかく教科書本文やノートの内容を「丸暗記」してテストに臨むという勉強法が自分に合っていると感じているお子様もいらっしゃいますし、それでうまくいっているのであれば、必ずしも否定する必要はありません。

しかし、勉強に苦手意識がある、あるいは現状あまり点を取れていないお子様が「丸暗記」的な勉強法にチャレンジするのは、少しハードルが高いかもしれません。

加えて、「丸暗記」は定期テストのためだけの勉強に終わってしまうことも多く、長い目で見たときに効率が悪くなってしまうとも考えられます。

定期テスト対策での学びが、その先の試験や入試などにも活きてくるような質の高いものになると良いですね。

大切なのは、ただ「量」をこなすことがテスト勉強になってしまわないことです。

自分の理解度や進度を理解し、それに応じた学習計画を立て、「質」の高い勉強を遂行できるようになることを目指すようアドバイスしてあげてください!

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