毎年行っても面白い!『おもしろ科学まつり2024』で科学の楽しい原体験

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こんにちは!manavi編集部の安藤です。
みなさん、理科してますか?

今年も、 2024年11月3日から4日にかけて開催された『青少年のための科学の祭典 - 2024 おもしろ科学まつり - 和歌山大会』を取材してきました。

おもしろ科学まつり2024 ウェブサイトより
 

『おもしろ科学まつり』とは、理科や数学あるいは科学技術といった分野の実験や工作を一同に集めて来場者に楽しんでもらうイベント「青少年のための科学の祭典」の和歌山地区大会です。

なんと20年以上の歴史があります!
https://www.kagaku-wakayama.com/index.html

(実行委員会公式ウェブサイト)

 

コロナ禍以降3度目の対面(現地)開催となった今回も、お子様が地域の学生さんや、企業さんと交流しながら、科学に触れられる取り組みがたくさんありました。

manaviでの取材も3回目になりますが、私自身、自由研究のヒントに出会えることに期待して、毎年ワクワクしながら参加しています。

今年はmanaviの「バードちゃん」も取材に参加しました!

本記事では、そんな『2024 おもしろ科学まつり』のブースの様子や、取材を通して感じたことをご紹介いたします。

学生さんとの交流で、科学の楽しさを体感!

おもしろ科学まつりでは例年、近隣学校からの出展が多いです。

今年も会場校である和歌山大学をはじめ、多くの高校・中学校の学生さんが参加されていました。

近畿大学附属和歌山高等学校・中学校のブースでは、電池と磁石だけで導線がクルクル回る、不思議な装置をつくる体験ができました。

講師の生徒さんが、参加者のお子さんに対して、この実験装置のしくみとなる「フレミングの左手の法則」を丁寧に説明している姿が印象的でした。

フレミングの法則は、身の回りの多くの「電気で動くもの」を支える基本原理です。

このブースで紹介されていた装置はシンプルながら、コイルモーターや発電機など、様々な実験工作に派生する可能性を秘めた実験なのです。

和歌山大学教育学部のブースでは、水溶き片栗粉を利用した「ダイラタンシー現象」の実験が行われていました。

ゆっくり優しく触るとドロドロとしているのに、勢いよく叩くと、まるで石のように硬くなる現象に、参加者のお子さんも興味津々でした。

また実験を楽しみながら、教育学部の学生さんが、イラスト解説やデモンストレーションを通して、実験の原理を分かりやすくレクチャーされていました。

この「ダイラタンシー現象」は、高校以降で学ぶ物理や化学との関りもあり、かなり奥が深い実験です。

「おうちで実験」となると、片栗粉をたくさん用意するなど、準備や片付けが大変なので、おまつりで体験できるのはラッキーですね!

改めて『おもしろ科学まつり』 は、実際に触ったり作ったり、体験を通して、お子さんに理科のおもしろさがダイレクトに伝わるイベントだと感じます。

さらに、ご紹介したブースのように、お子さんと歳が近い、学生のお兄さん・お姉さんが講師をしていることもありました。

彼らと交流することで、「こんな学校に行ってみたい!」「こんなことを勉強したい!」といった、お子さんがちょっと未来の自分をイメージする機会にもなるのではないでしょうか。

学んだことをどう活かす?社会課題を知る。

おもしろ科学まつりに出展しているのは、学校だけではありません。
地元の企業や、ボランティア団体、研究会などが多数参加していました。

この廃油回収ボトルのタワーが印象的な「せっけん作り」のブースは、和歌山県商工労働部 企業政策部 成長産業推進課の企画でした。

食用リサイクル油を原料とした石けん素地を使って、オリジナルの形のせっけんを作るというもの。

和歌山県で実施されている廃油の回収実証実験についても説明があり、家庭で使ったあとの油にも利用価値があることや、リサイクルの大切さ知ることができました。

「身の周りには、どんなリサイクル製品があるのか?」「おうちで使ったものを、おうちでリサイクルできないか?」など、ご家庭で調べたり、実験したりするきっかけにもなりそうだなぁと感じました。

専用の器具や材料に頼らずとも、ペットボトルや段ボールなど「身近なもので代用する」というアイデアがあると、ご家庭での工作や研究の幅が広がります。

また、和歌山アドベンチャーワールドのサークル団体、ココロボのブースでは、海の生き物のロボットを展示していました。

これらのロボットは、海の生き物に触れられない人にロボットを通して動物に触れる喜びや癒しを体験してもらいたい、という想いから、アドベンチャーワールドのスタッフさんが手作りで製作されているとのことでした。

生き物について熟知されているスタッフさんの製作とあって、ロボットはとても精巧にできていました。

「人にも、動物にも負担をかけずに。」というスタッフさんの想いやこだわりが形になっていました。

理科の自由研究も自分だけの「こだわり」や「工夫」があることで、モチベーションがあがります。

実験工作の意欲を刺激されるブースでした…!

ご紹介したように、企業・団体が出展しているブースの多くは、事業・活動と関連した科学実験などを通じて、企業理念や社会課題も紹介されていました。

「まつり」ということで、保護者の方もお子様が楽しむことを第一に考えられると思います。

一方で、「理科の知識をこんな風に使うことができるんだ!」「身近にこんな課題があるんだ!」といった、お子様の学びの動機につながる「気づき」があるのも、『おもしろ科学まつり』ならではの魅力に感じました。

イベントは年々進化!何回行っても面白い。

コロナ禍以降、3度目の対面(現地)開催となった今回のおもしろ科学まつり。
manaviでの取材も3回目ということで、昨年までに取材させてもらったブースもいくつかありました。

その内のひとつ、和歌山山野草植物研究会のブースでは、今年も植物標本をつくることができました。

昨年は和歌山県に自生している草花がメインテーマでしたが、今年はその中でも「翼のある種子」に注目。風を受けるための様々な形状の翼をもつ種子を手に取り、観察することができました。

また、昨年バスボムづくりで大盛況だった三木理研工業株式会社さんのブースでは、液体せっけんから固形せっけんをつくる体験ができました。今年もすごい行列でした!

この他にも、例年と少し変更があるブースや、おなじみの内容を実施するブースなど様々でした。

以前参加したことがあるような内容でも、お子様の学齢によって異なる気づきがあると思います。

個人的には、毎年行っても飽きない、本当に楽しいイベントだと感じました!

まとめ

今回は、和歌山市で開催された『おもしろ科学まつり』の取り組みの一例を紹介させていただきました。

出展者として参加している人の中には「子どものころ同じような体験型のイベントに参加して、科学が好きになった。」と話される方もいらっしゃいました。

彼らからお子様に「科学好き・理科好き」が伝播していく…そんなイベントに感じました。

こうしたイベント以外にも、地域の科学館や資料館などでも、学校やご家庭ではできない体験があったり、様々な科学知識や社会課題に触れたりできるかと思います。

イベント等で説明されたことを完全に理解することは難しくても、楽しんだことや不思議に思ったことが、お子様の科学に対するポジティブな原体験として残ってくれたら嬉しいですね。

おもしろ科学まつりは、 毎年開催されていますので、和歌山地区や、その近隣にお住まいの方は、是非足を運んでみてください。

また、青少年のための科学の祭典は例年、全国各地で開催されています。
皆様も、相似形のイベントを探してみてくださいね!