こんにちは!今回も引き続き小学校と中学校の生活リズムや学習内容の違いに注目しながら、どのように家庭学習を始めたらよいか?についてお話させていただきます!
前回の記事の中では、中学生になったお子様が「自分のどうしてもやりたいこと」をやりながら、勉強も持続させていくためのアプローチとして、スケジュールを考えてみることの重要性をお話しました。
詳しくは下記のリンクからご覧ください。
そして、話題の中で「授業」に集中し、そこで理解をしきってしまうつもりで臨むことが、時間的な負担を抑えながら日常学習を進めていく1つの効果的な施策であるという話が挙がりました。
習い事や部活を一生懸命やりたいお子様にとっては、平日は宿題を終わらせるのがやっとという日も多いかもしれません。
そんな多忙な毎日の中でも、何とか学習を「持続」できるようなアプローチを皆さんと一緒に考えていけたらと思います。
今回の記事では、復習の重要性と授業ノートの効果的な使い方について、増進堂・受験研究社の『自由自在』シリーズ編集スタッフへのインタビューも交えながらお伝えさせていただきます。
ご一読いただけますと幸いです。
前回の記事では、授業の効果を最大化するという観点で、社会と理科の『自由自在』シリーズ担当者に話を聞きました。
その中で、社会や理科のような知識事項のインプットが重要な教科においては事前に教科書ないし要点が分かりやすく図表付きでまとめられた『自由自在』のような参考書を読んでおくという軽い「予習」をするだけでも授業での理解度が変わってくるという話が挙がりました。
今回は、その他の教科の担当者から「授業の効果を最大化する」ためのアプローチを聞いていきたいと思います。
前回の記事では「授業で完結させるつもりで」という話もありました。それでも教科によっては、やはり理解できないところは当然出てきますよね。
そんな時はどうすれば良いのでしょうか?
数学担当です!よろしくお願いいたします。
小学校の頃とは、授業スピードも格段に上がりますし、授業についていけないと悩むお子様も少なくありません。
ただ、授業で理解しきれなかったことをあまりネガティブに考える必要はありません。
大切なのは、理解が疎かなまま放置しないことです。
「分からないけど、大丈夫でしょ…」というスタンスが一番危ないということですね。
その通りです。
特に数学は、「積み重ね」の教科だといわれています。
例えば、中2で習う「一次関数」は、小学校の「比例」から続いています。これはさらに、中3・高1で学習する「二次関数」へとつながっています。
当然「比例」がきちんと理解できていなければ,「一次関数」でもつまづき,「二次関数」でもつまづくことになります。
負の連鎖ですね…。
また、もう1つ「数学」に関して、多くの新中学生が戸惑いやすい点があります。
それは、算数では「答え」が重視されていた一方で、数学においては「答え」と共にそこに至るまでの「過程」も重視されるようになるという点です。
方程式の文章題や証明問題などがその典型ですね。
答えそのものが正しければ良いというわけではなくて、そこにたどり着くまでの「過程」まで見られるということですね。
まさしくその通りです。
それを乗り越えるために、授業中に先生が解説している答えにたどり着くまでのプロセスをしっかりと聞くことが最初のステップです。
その次のステップとして、黒板に書いてある内容をきちんと自分で再現できるようになることが大切です。
そのためのツールが「ノート」というわけですね!
ノートをとにかく「きれいに」とることにこだわるお子様は非常に多いです。
しかし、数学の授業においてはノートを「きれいに」とることよりも、先生の説明をしっかりと聞いておくことが重要です。
ノートは「メモ」程度で良いのです。
そして家に帰ったら、授業中にメモ程度に書いたノートを読み直してみましょう。
そこで先生の説明や教科書の内容を思い出し、問題を解く過程を「再現」しながら、ノートを完成させていくのです。
授業で聞いたことを、家に戻って「再現」できるかどうか確かめてみる。これも立派な復習です。
そして、そのハブになるツールの1つが「授業ノート」なのだと捉えていただくのが良いのではないでしょうか?
ここでもし「再現」が難しい!となってしまったらどうすれば良いのでしょうか…?
ここで、『自由自在 数学』を活用してみるのはアリだと思います。
例題をベースに、問題を解く「過程」を詳しく丁寧に解説してありますので、ノートの補完や復習の支えになってくれるでしょう。
分からないことがあれば、『自由自在 数学』を当たってみるという「辞書」的な活用法でも活きるのがこの本の強みでもあります。
・数学は「積み重ね」の教科。苦手を放置しないことが大切!
・授業中は「きれいな」ノートを作ることにこだわらず、まずは先生の説明をしっかりと聞くことに集中してみよう!
・家に帰ってから、ノートに残したメモや先生の説明を元に、問題の解法を「再現」できるかどうか確かめてみよう!
さて、先ほど数学の編集スタッフからの話の中で、「授業ノート」の話題が挙がりました。
授業ノートを「きれいに」とることに集中力を取られてしまい、肝心の先生の説明を聞くことやそこから自分なりに理解しようとすることにまで頭が回らなくなっているお子様もいると思います。
小学生の頃は、それでも問題が生じなかったかもしれません。
ただ、中学生になり学習する内容が一気に増え、授業の内容も高度になっていくと、次第に理解できないままになってしまうことが増えていく可能性があります。
しかし、お子様がノートはまじめに取ってきているのに、どうもテスト等での成績は伸び悩んでいるという状況に陥っているのであれば、少しアドバイスをしてあげる必要があるでしょう。
そもそも、2つや3つのタスクを同時にこなすのは、保護者の皆様が思っている以上に、お子様にとっては難しいものなのです。
①ノートを書きながら、
②先生の説明にも注意を払い、
③さらにその内容を自分の中で咀嚼し理解しようとする。
この3つを同時並行的に授業の時間に行うことに難しさを感じるお子様は多いと思います。
授業ノートを「きれいに」取っているのに、テストになると点数が伸びないお子様は、①に集中するあまり、②と③がおろそかになっている可能性があります。
そして、「授業の効果を最大化する」という観点で考えると、重視すべきはむしろ②と③なのです。
この点を踏まえて、ぜひお子様にアドバイスをしてあげて欲しいのですが、「きれいな」授業ノートを否定してしまうと、学習に対するモチベーションを下げてしまう可能性があるので、これは避けましょう。
このように伝えてあげるのが、ベターではないでしょうか。
・授業中はまずは先生の説明を聞いて、理解しようとすることに全集中で臨む。
・先生が「大切だ」と言っていたこと、黒板に強調して書かれていることはメモ程度でノートに書いておく。
・自宅に戻ってから、インプットした情報やメモ書きを元に「きれいな」ノートを完成させていく。
「きれいな」ノートを作りたいというお子様の学習モチベーションを尊重してあげつつも、授業中は「理解する」ことに集中するように促してあげるのです。
授業ノートは授業と家庭学習をつなぐツールです。
少ない家庭学習の時間で、まずは授業で知りえた内容が理解できているかどうかを「授業ノート」をベースに考えていくことは、非常に効果的な「復習」と言えるでしょう。
小学校でも新学習指導要領に移行し、英語学習がスタートしたことで英語は中学生になってから学習がスタートする教科ではなくなりました。
しかし、やはりその内容には違いがあり、「ギャップ」が想定される部分があります。
そこで英語の編集スタッフに小学校と中学生での英語の学習内容の違いを意識しつつ、どんな学び方ができるのかを聞いてみました。
中学校の英語学習では、小学校のそれと比較して、どんなアプローチが有効なのでしょうか?
英語担当です。よろしくお願いいたします!
中学校の英語の教科書にはもちろん本文がありますから、その内容をしっかりと理解していくことが第一です。
ただ、英語を自分のものにしていくためには、やはり授業で扱われた文型や文法、表現のバリエーションに触れておくことが大切だと思います。
教科書の本文としては意味が取れて、何となく理解した気になっていても、英文として本当に理解できているかどうかは別の次元なのです。
なるほど。ここに小学校の英語学習との違いも絡んできているわけですね。
その通りです!
教科書本文で「I am Ms. Green. I am a teacher.」が扱われていたとして、その意味を正確に理解できるのが授業の段階での目標になります。
ただ、これは小学校高学年の英語の授業でのアプローチに近いものです。
中学校では、次のステップとしてこの英文を「一般化」して理論的・体系的に理解していく必要があります。
つまり「I am~.」という表現を文法的に理解していくことが求められるわけです。
・amのあとには、どんな単語を置けるのか?
・主語が変わったときにbe動詞はどう変化していくのか?
・日本語とはなぜ語順が違うのか?
こうした疑問を1つずつクリアして、自分が「使える」表現にまで落とし込んでいくのが、中学校の英語です。
小学校の教科書だと基本的にフレーズを学んで、とにかくそれを使ってみようというところまでですもんね。
まずは教科書の理解が何よりも大切です。
ただ、より深い英語の理解を目指すということであれば、『自由自在 英語』のような参考書を使ってみるのもおすすめです。
でも、学校で扱っているテキストとは内容が違いますよね?
先ほども述べたように、英語を「使える」ものにしていくためには、「一般化」して理解していく必要があります。
中学校に入ってから本格的に学習がスタートする「文法」は子どもたちが躓きがちです。
文法を教科書で使われている形や意味では理解できていても、実は本質的に理解できていないかもしれないという部分は、他の用法や英文に触れてみて初めて見えてくるものです。
そうした教科書以外での使われ方に触れ、理論的な部分での理解をサポートしてくれるのが『自由自在 英語』と捉えていただくのが良いのではないでしょうか?
特に、今回の改訂版では、日本語と英語の語順にフォーカスした「意味順」というアプローチも採用しています。これを使うと、より直感的に日本語から英語へと変換できるようになっていきます。
「意味順」良いですね!わかりやすいです。
・小学校の英語は具体的な英文やフレーズを元にした学習が中心。中学校ではそれらを論理的・体系的に理解して「一般化」していくことが求められる。
・まずは、教科書の本文をベースに理解するところから始め、その次の段階として参考書を手に取ってみよう!
・文法は特に日本語との違いが際立つ部分なので、『自由自在 英語』で掲載されている「意味順」のようなアプローチが効果的!
さて、ここまで実は話題に上がらなかったのが「国語」ですね。
「国語」は小学校と中学校であまり変わらないんじゃ…と思われる保護者の方も多いかもしれません。
また、国語って基本的に教科書に掲載されている文章をベースに授業が進んでいくので、予習・復習というイメージも湧きづらいですね。
そのあたりの話についても、編集スタッフに聞いてみました。
国語の教科における、小学校と中学校の違いってどんなものが挙げられますか?
国語担当です!どうぞよろしくお願いいたします。
国語の場合は、扱われる文章の題材がガラッと変わるのがまず1つです。
・小学校:文章が身近な題材
・中学校:高度で専門的・抽象的な題材
題材が難しくなれば、当然読み手の理解は難しくになりますよね。
小学校の頃の文章は何となく読み進められていたとしても、中学校で扱われる文章は、語彙や文法の知識もそうですし、読解のポイントを押さえておかないと読み解きにくくなるのです。
ここで、国語の苦手意識が生まれやすいということですね…。
はい。また、「国語」って実は少し特殊な教科なんです。
というのも授業や定期テストの範疇でいえば、教科書の本文に即した「暗記教科」のような側面があります。
ですので、日常学習では教科書の本文を読み込む、授業ノートを見返す。これらがまず最初にやるべきことです。
しかし、模試や入試になると、初見の文章が出題されて、読解のスキルそのものが問われることになるのです。
確かに、国語のテストって授業ノートを暗記した者勝ち!みたいなテストだったような気もしますね。
ただ、それに特化してしまうと、定期テストでは点が取れても、初見の文章が出題されるような外部試験で面食らうことになるでしょう。
そこで、毎日の学習の中で、教科書の本文を授業よりももう少しだけ深く、そして構造的に読む訓練をしておくのが良いでしょう。
そうすれば、後々、初見の文章が出題された試験での対応が変わってくると思いませんか?
確かにその通りです。でも、初見の文章の問題を日常的に解くというのは、負担が大きくないですかね?
間違いありません。ですので、いきなり無理をして取り組む必要はないと思います。
まずは、教科書の本文を授業で先生から示された観点で理解していくことが第1段階です。
そして第2段階は、いきなり初見の文章に取り組むことではありません。
教科書の本文を文章構造的・細かな語彙表現的な観点から、読み直してみることです。
なるほど。初見の文章を読むのではなく、教科書本文を違った視点から読み直すことでトレーニングをしていくわけですね。
その通りです。『自由自在 国語』では、たくさんの読解のスキル、文法の情報、語彙や表現を掲載しています。
これらを活用しながら、授業とは違った視点で、本文の構造を整理していく、また語彙表現を自分のものとして定着させていくという学習法は、後々のことを考えると非常に有効になってきます。
ただ、もちろんこれは発展的な学習アプローチですので、無理をせず、まずは授業に集中してください。
・中学校の国語で扱われる文章は、その題材が小学校のものと比べて高度になる。
・まずは、授業で先生が示した観点で教科書の文章を理解していこう。
・余裕のあるお子様は、『自由自在』を活用して、異なる視点で文章を読み直してみよう。
改めて書きますが、小学生と中学生では、その生活リズムや学習内容の濃さが大きく変わります。
そんな多忙な毎日の中で、授業をこなしながら、自分のやりたいことにも取り組みながら、休息もしっかりと取りながら、その余白の限られた時間の中で家庭学習を進めていかなくてはなりません。
中学生のお子様は思春期に当たりますから、小学生の頃のように「勉強しなさい」といっても素直に応じてはくれないかもしれません。
特に中学1年生の4月・5月は、自分の生活スタイルを確立することに精いっぱいのお子様も少なくありません。
ですので、部活動で疲れて帰ってきて、勉強もせずに眠ってしまうようなことがあっても、それは子どもたちの「適応」の段階ですので、温かく見守ってあげてください。
そして、ある程度生活スタイルが確立されてきたころに、お子様と一緒に1日のスケジュールを振り返ってみてあげてください。この時、「しなければならないこと」「絶対にやりたいこと」と優先順位の高いものから書き込んでいくのがコツですね。
その上で、余白の時間がどれくらい残されているのかを確認してみましょう。
習い事や部活動、クラブ活動などに一生懸命取り組まれているお子様ほど、その余白の時間は限られたものになってきます。
そういう時に、前回と今回の記事の中で書いてきたように、「まずは授業ファーストで」というアドバイスをしてあげてみるのはいかがでしょうか。
授業を充実させるために1日10分だけ「予習」の時間を設けてみる。授業の補完のために分からないところだけをピンポイントで「復習」してみる。
もちろん、勉強の時間をもっと長くとれるというお子様は、国語のところで触れたような発展的な学習法に挑戦してみるのも良いでしょう。
しかし、まずはお子様が確立した中学生としての生活スタイルを壊さない範囲で、無理なく家庭学習の時間を取り入れていくことが大切です。
近年「サステナビリティ=持続可能性」という言葉は、世界的なトレンドになっています。
中学校の家庭学習においてもこの「サステナビリティ」を意識してみてください。
やりたいこともやりながら、その限られた時間で最大限の学習効果を出す。そのために『自由自在』はどんなサポートをできるのか?
『自由自在』の編集スタッフは、今回そんなことも意識しながら本書を編集してきました。
ぜひ、新中学生としての最高のスタートを切るためのお供に『自由自在』を選んでいただけると嬉しいです。
さて、次回は中学校の学習指導要領の変化について取り上げながら、どんな力が求められ、どんな学習が有効になってくるのかを皆さんと一緒に考えていけたらと思います。
●概要
・『中学 ⾃由⾃在』 国語、社会、数学、理科、英語
・定価:2,900円(+税)
・判型:A5判
・ページ数:本⽂592〜656ページ、解答編(数学)160ページ
・発売予定⽇:2021年2⽉15⽇
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このたび、『自由自在』の中学⽣シリーズを2021年度の新学習指導要領に合わせて全⾯改訂しました!
豊富な写真や図版を使ったオールカラーの構成で、学習の要点をきめ細かく段階を区切って解説しており、理解をサポートします。
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