読解力の前に、短期的な「記憶力」が身についていない可能性があります。
多くの小学校で国語のテストは、低学年用のレイアウトと高学年用のレイアウトが異なります。
低学年では、テストプリントの上段に「文章」、下段に「設問」があります。
このようなレイアウトでは、文章をしっかり読まなくとも、設問の真上に該当箇所の文があることが多く、「文章を一旦頭に入れて(短期記憶して)読む」という作業をしなくとも問題を解けることになります。
このような習慣が身につくと、「文章を読む」ことなしに設問に答えることになります。
ところが、高学年になると、文章が長くなり、1ページに収まりきらずにページがまたがることが出てきます。すると、設問が文章とは違うページにあったり、プリントの裏側になったりするのです。
このようなレイアウトでは、設問を読んでから文章を読むと該当箇所を探すことが困難になります。まず文章をしっかりと読み、内容を頭に入れてから(短期記憶してから)設問に挑むことが要求されます。
実際に理解力がないというよりも、解く順番が間違って習慣化していたり、短期記憶力が養われていないことが原因になっていることが多いのです。
対策としては、以下のものがあります。
(2)は家庭では取り組みにくいと思われるかもしれませんが、例えばテレビドラマを見ている時に、保護者の方が、コマーシャルの間に「これってどんなお話?ちょっと見逃しちゃった」と言って尋ねて、あらすじを過不足なく話できるように仕向けるという手があります。