テスト勉強で暗記が苦手なようです。どうやって覚えたらいいのでしょうか?

「教科書を眺めているだけ」なんてことはありませんか?
闇雲に丸暗記するだけではなく、書く・話す・体験するといったアクションを起こしましょう。

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教科の成績アップには、問題の解き方や答えを暗記することもひとつの手です。


しかし、テストのために「丸暗記」で詰め込んだ記憶は、しばらくすると忘れてしまいがちで、これでは「学力がついた」とは言い難いですよね。


子どもたちには、「一時的な暗記」ではなく、「長期的」でかつ「活用できる知識」を習得して欲しいものです。


「長期的」の部分に注目してみると、長く定着している記憶には、教科書に書いてあるような「単語の意味の情報(意味記憶)」に加え、「それを覚える時に起こした行動(手続き記憶)」「関連する体験(エピソード記憶)」がお互いにリンクしていて、強固になっています。


暗記アイテムとして一般的な「単語帳」では、自作し、使う時の「書く」や「発音する」といった行動が「手続き記憶」の要素となっているのです。



そのため、お子さんが教科書や参考書を、静かに眺めて勉強するようなら、「読み上げる」「書き出す」癖をつけさせるのが良いでしょう。「読書と勉強は違う」という意識を持つことが大切です。


一方、「知識の活用」においては「エピソード記憶」がより重要になってきます。理科や社会といった覚えるべき用語が多い科目に苦しむ子どもたちは、用語から「連想」される情報が少ない傾向があります。この「連想」こそ「エピソード記憶」が活躍する領域です。


例えば「光合成」について学ぶ際、「水と日光と二酸化炭素によってデンプンと酸素をつくる」という文章をそのまま暗記するのは大変です。


そこで、「ヒトが食事なしでは元気が出ないように、植物は光合成なしではで生きていけない」、「近所の花壇や植木鉢は、日が当たる場所にある」といった、自ら感じたり、見つけたりした「体験」を基にして得た情報があることで、「光合成」から「水」や「日光」を直接導くのではなく、「食事」や「近所の様子」といった「連想」を介して思い出すことができるようになります。


こうした「体験」を基にした記憶は、「覚える」というインプットの際だけでなく、それを誰かに「伝える」というアウトプットの際に活用されます。


「例え」や「置き換え」を用いた論理的な説明などは、まさに関連する「知識の活用」であり、理科や社会で「観察・実験」や「社会見学」を行うのは実体験を基にした「エピソード記憶」を増やす狙いがあるのです。


「記憶」と「活用」の両側面から、子どもたちには「体験学習」の機会を多く設けたいですね。


とはいえ、お子さんを色々な所へ連れだしたり、理科実験教室へ通わせたりすることが難しい場合もあると思います。「エピソード記憶」がアウトプットの際に活用されるように、アウトプットを意図的に行うことで「エピソード記憶」が強化されていきます。


最も手軽なアウトプットは「話す」ことです。「今日はどんなことを勉強したの?」「お父さん(お母さん)に分かりやすく説明してみて?」といった会話をすることで、アウトプットの機会を増やすと良いでしょう。


このような取り組みは、テスト直前に行うのではなく、普段の学習の際に効果的です。


「テスト前は暗記もの!」という固定観念にしばられないようにしたいですね