将来の「歴史好き」の基礎をつくる!小学校低学年から持てる歴史との接点とは?

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歴史を学ぶと,どんな良いことがあるんだろう?

突然ですが,みなさんは歴史について知ること,あるいは学ぶことは好きですか?

受験研究社の社内でも,同じ問いかけをしてみたところ,「好き」と答えた人が多かったです。

歴史との接点って,大人になってからも意外と多いですよね。例えば,2024年の大河ドラマ『光る君へ』は平安時代を舞台にした作品です。

これに限らず,歴史を題材にした映画,ドラマ,小説などは数多くあり,それらを鑑賞することを通じて,歴史との接点を持っているという人は多いと思います。他にも歴史を扱ったゲームをプレイしている方もいるでしょうし,歴史をテーマにした施設を訪れたという方もいるでしょう。

では,もう1つ質問です。歴史を学んでいて,良かったと感じた瞬間はこれまでにありましたか?

これは少し答えるのが難しい質問です。歴史を題材にしたフィクションが面白いと感じられるのは,歴史を学んだからかもしれません。はたまた,歴史を学んでいたことで,何となく会話が弾んで,コミュニケーションが上手くいったなんてこともあるかもしれません。

もちろん,この質問に唯一の正解はありません。それでも,1つ挙げるとすれば,「過去の歴史を学ぶことで,現在や未来について考えることができる」ということではないでしょうか。

例えば,昨今,ガザ地区を巡る不安定な中東情勢が毎日のようにニュースで報道されています。これがどんな仕組みや流れで起きているのか,あるいはどうすれば解決できるのかを考えるにあたって,これまでの中東の歴史について知っておくことは必要不可欠ですよね。

このように,歴史は,今の世界や日本で起きていること,そしてこれから起きることについて考えていく上での土台になる重要な学問なのです。

ここまでの話を踏まえて,そんな重要な学問である歴史とお子様の接点を少しでも早く作りたい,お子様を「歴史好き」にしたいと思われた保護者の方もいらっしゃるかもしれません。

しかし,いきなりお子様に「勉強しなさい!」「この本を読みなさい!」と言うと,かえって「歴史嫌い」になってしまうかもしれません。

そこで,「小学校低学年」「小学校3・4年生」「小学校高学年」の学齢に分けて,それぞれの時期の歴史の学びにおいて意識したいことや具体的な学びのアプローチについて解説してみたいと思います。

今回の記事で,スポットを当てるのは「小学校低学年」です。

小学校低学年の子どもが歴史を学ぶのは難しい?

小学校低学年のお子様に歴史の勉強を勧める際に,最も大きな壁になるのは,時間の感覚です。

一般的に,人間は4歳を過ぎると,大脳の発達に伴って,時間と空間の認識が広がり,他者との関係を理解し始めるとされています。

ただ,小学校低学年(6歳~8歳)の子どもたちの時間感覚はまだまだ曖昧なもので,身の回りの出来事の順序が理解できるという程度だと言われています。

小学校の算数の学習カリキュラムを思い浮かべてみてください。1年生では,時計の読み方を学習します。ここまでは,あくまでも時刻に学習内容が絞られています。しかし,2年生になると,徐々に時間の概念への理解が求められ,3年生では,時間の概念を日常生活と結びつけて理解することが求められます。このように,算数のカリキュラムも人間の脳の発達に合わせて作られているのです。

子どもたちが時間の概念を理解できるのは,平均的に小学3・4年生(9歳~10歳)だと考えられています。

そのため,時間の経過や出来事の推移といった歴史を学ぶ上で重要な要素が小学校低学年のお子様には,まだ理解するのが難しい可能性が高いです。

そんな状況で,あまり無理に歴史の勉強を強いてしまうと,かえって「歴史嫌い」になってしまうかもしれません。

今とは違う時代の存在を知ることを目標に!

では,小学校低学年のお子様に,歴史との接点を作る際にどんなことを意識しておけばよいのでしょうか?

この学齢における歴史の学びにおいて1つの目標にしていただきたいのは,今とは違う時代の存在をぼんやりと知覚させることです。

とりわけ本や教材を与えるのであれば,「子どもにとって身近かどうか?」「具体的かどうか?」「視覚に訴えるものであるかどうか?」の3つを意識していただければと思います。

① 子どもにとって身近かどうか?

子どもたちは,時間的,空間的に自分と距離があるものについてイメージすることが難しい傾向にあります。

そのため,いきなり現代から時間的に遠い縄文時代のことを学んだり,空間的に遠い外国の歴史を学んだりすることは難しいでしょう。

まずは自分の住んでいる地域の今と昔について知ること,あるいは現代と比較的近い過去の時代について学ぶことから始めるのがおすすめです。

② 具体的かどうか?

小学校低学年の子どもたちは,抽象的なものを理解する力が十分に身についていません。例えば,経済史のような抽象性が高い内容を学ばせるのはハードルが高いでしょう。

そのため,自分の身の回りにあるものが,過去のある時代においてはどうだったのか?という具合に,具体的なものの過去を辿っていくアプローチがおすすめです。

例えば,建物は時代によってどのように違うのか,旅行は時代によってどう違うのかなど,興味のある事物や分野で時代を遡っていくと,お子様もイメージがしやすいでしょう。

③ 視覚に訴えるものであるかどうか?

先ほどの「具体的かどうか?」というポイントにもつながりますが,小学校低学年の子どもたちは言葉だけで,はじめて触れる内容を理解するのは,まだ少し難しい傾向にあります。

そのため,イラストや写真が豊富に掲載された教材を使う,あるいは実際の事物を見せるなど,「目に見える」もので学ばせることが,理解の助けになるでしょう。

体験的/視覚的に歴史に触れよう!

では,どのようにすれば,小学校低学年のお子様と歴史との接点を作ることができるのでしょうか?

いくつか具体的なアプローチをご紹介させていただきます。

① 博物館や資料館,史跡を訪れよう!

大阪歴史博物館

各地域には,その地域の歴史や民俗について展示をしている博物館や資料館があります。例えば,受験研究社の本社がある大阪には「大阪歴史博物館」という施設があります。

こういった施設に赴いて,自分の住んでいる地域の今と昔について比べてみるということであれば,お子様にとっても空間的なギャップが小さく,具体的かつ視覚的に学ぶことができるので,無理なく歴史との接点を持つことができるでしょう。

博物館や資料館といった施設に限らずとも,各地域には,史跡が数多く存在します。そういった史跡を訪れてみるのもいい…のですが,なかなかお子様も気乗りしないかもしれません。

そういう時には,自治体などが開催している歴史探訪イベントに参加したり,ポケモンGOのような位置情報ゲームを活用したりしながら,楽しく史跡を巡ることができる工夫をしてみてください。

また,旅行に行く機会があれば,京都や奈良の古い寺院や、熊本城や姫路城などの日本の城といった著名な史跡を実際に訪れてみてもいいでしょう。

② 歴史体験テーマパークに行ってみよう!


江戸ワンダーランド日光江戸村

京都府の「東映太秦映画村」,千葉県の「千葉県立房総のむら」,栃木県の「江戸ワンダーランド日光江戸村」など,昔の街並みを再現し,当時の衣・食・住を体験的に学べる施設があります。

こうした施設を訪れ,体験的に学ぶことで,お子様の好奇心を刺激することができるでしょう。

手を動かして当時のものを作ってみるのもいいですし,戦国時代の武将や平安時代の貴族,江戸時代の忍者などのコスプレをして,当時の人物になりきってみるのも面白いですね。

③ 絵本を使って親子で学んでみよう!

もし,お子様に何か歴史について学べる教材を与えたいと考えるのであれば,小学校低学年向けには,マンガよりも絵本がおすすめです。

受験研究社の書籍ではないのですが,『はじめての 日本のれきし えほん』(パイインターナショナル)や『絵本 江戸のまち』(講談社)などの歴史の絵本シリーズが小学校低学年の歴史の学びの第1歩には適しています。

おすすめの歴史の絵本

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自分の身近にあるものや自分が住んでいる町が昔はどうだったのか?と考えてみるのがいいでしょう。

当然,子どもたちは絵本を見ながら,「これって何?」「この人は何をしているの?」といったたくさんの疑問を持つことでしょう。

そうした疑問は,親子の関わり,コミュニケーションのチャンスです。その際,すぐに答えを与えてしまうと,お子様はそこで考えるのをやめてしまいます。

ヒントを与えたり,寄り添って一緒に考えたり調べたりしてあげてくださいね。

まとめ:将来の「歴史好き」の種まきをするイメージで!

小学校低学年のお子様は,脳の発達の観点から時間の概念の理解に壁があるため,歴史の流れを掴むのが難しいと感じる傾向にあります。

そのため,あくまでも今とは違う時代の存在をぼんやりと知覚させることができれば十分くらいで,少し肩の力を抜いてみませんか?

お子様がすぐに「歴史好き」にならなくとも,この時期に将来的に「歴史好き」になるための種まきをするイメージで向き合ってあげるといいですね。

次回の記事では,「小学校3・4年生」の時期の歴史の学びにおいて意識したいことや具体的な学びのアプローチについて解説します。