読者からの反響に喜びー妖怪ワールドに夢中になる子が続出するワケとは?|『はじめてのことわざ・慣用句 新辞典』編集者インタビュー番外編

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プロローグ

2024年10月25日。受験研究社から新刊『はじめてのことわざ・慣用句 新辞典』が発売された。

その特設ページの制作を任された広報部の新入社員マナミは,編集者へのインタビューを重ね,何とかページを完成させることができた。

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そんな新刊の発売からしばらく経過し,SNS等には早速,読者からのコメントが寄せられているようだ…。

マナミはそんな読者からの声を一刻も早くこの本を作った編集者に伝えたいと思い,いてもたってもいられなくなった。

編集者さん!ハァハァ…『はじめてのことわざ・慣用句 新辞典』への読者からのコメントが!ハァハァ…届いてます!たくさん!

大丈夫ですか!?

だ,だびじょうぶです!

読者のみなさんからのコメント…。楽しみですが,読むのは,ちょっと緊張します。

安心してください!かなり好評です!

夢中すぎて,保護者からの「ごはんだよ~」に反応なし?

読者のみなさんからのさまざまな反応,どう感じましたか?

率直にうれしいです。

子どもたちが夢中になっている様子について書かれたものがたくさんありましたよね。気になるコメントはありましたか?

まずは,子どもが朝起きて,自発的に読んでくれているというコメントがうれしいですね。

今回の『はじめてのことわざ・慣用句 新辞典』小学生低学年の子どもたちでも1人で読めるようにと工夫を凝らした本なので,その工夫が子どもたちの実際の学びにつながったと実感しています。

一方で,保護者からの声かけに反応がないほど夢中になってくれているのは思っていた以上というか…,びっくりしました。

夢中になりすぎて,「ごはんだよ~」「お風呂に入って~」といった呼びかけに反応がないのは,お母さんやお父さんも手を焼いてそうですね(汗)

でも,それくらい子どもたちが夢中になれる本を作れたことが,編集者的にはとても嬉しいです!

心が弾むってやつですね!

早速,慣用句が会話に!(笑)

ことわざや慣用句を使うと,ますますクールでオトナな女性になった気分!まさに鬼に金棒!(ドヤァ)

アハハ…(苦笑)

他のコメントも見ていると,「本を繰り返し読んでいる」という声も多く挙がっているみたいですね!

まずは,マンガを読んで欲しいというのが,第一だとは思うんですが,繰り返し読む際は,どんなところに着目してほしいですか?

勉強モードでなくてもOK」というのが,この本の良さなので,2回目も,3回目もとにかくマンガを読んでもらえたらと思います。

お気に入りのエピソードを読み返したり,推しのキャラクターの登場エピソードを読み返したりするのでも構いません。

その上で,子どもがある程度ことわざや慣用句そのものに興味を持ち始めていれば,各ページのマンガの下にある「参考」や「ことばにまつわる話」に目を通してもらうのがおすすめです。

なるほど。ちなみに,どんな内容が載ってるんですか?

参考」や「ことばにまつわる話」では,ことわざや慣用句の語源や成り立ち,背景に関する情報を紹介しています。知っておくと,ことばに対するイメージが深まって,覚えやすくなると思います。

キャラクターたちの「親しみやすさ」のワケ

ストーリーやキャラクターに対する声も多く寄せられています。推しのキャラクターができた子どもたちもいるようですね!

どのキャラクターにもすごく思い入れがあるので,「推しができた!」という声はとてもうれしいです。

ちなみに私はユキノさん推しです!

お姉さん感があるのに,おっちょこちょいな一面もあって,そのギャップに思わず応援したい気持ちになっちゃいます。

推し語りは大歓迎です!

また,ゆっくり語りましょう!

さて,この本のマンガがひとつの世界観,ひとつの大きなストーリーになっている点は,以前のインタビューでも,特徴として伺いました。そこを気に入ってくださった読者の方は多いようです。

そもそも,ひとつの世界観,ひとつの大きなストーリーにしようと思ったきっかけはなんだったんでしょうか?

他の出版社から発売されていることわざや慣用句を扱った本で,そうなっている本がほとんどなかったのが,そもそものきっかけです。

そこに,マンガを読んでいたら,それが自然と学びになるような学習体験を届けたいという思いが重なって,この本が実現しました。

他にあまり見ないですよね!

以前のインタビューでも伺いましたが,改めてひとつの世界観,ひとつの大きなストーリーであることは,子どもたちにどんな良い影響を与えると思いますか?

そうですね。いろいろと挙げられますが,同じキャラクターが継続して出てくる点は,良い影響を与えると思います。

なるほど。理由を聞いてもいいですか?

読み進めていくと,だんだんそれぞれのキャラクターに対してのイメージが固まっていきますよね。例えば,猿飛太陽くんは抜けているところがあるとか。

そのイメージに照らして,キャラクターが期待通りの行動をしたら笑うし,予想外の行動をしたら驚く。これが物語の面白さのひとつの要素であり,書籍を読み進めていく原動力になります。

なるほど。
それが「やめられない!止まらない!」につながっていくわけですね!

他にも「男の子・女の子問わず受け入れやすいキャラクター」という声があります。小学生の子どもたちに受け入れられやすいキャラクターづくりのために意識したことはありますか?

キャラクターの男女比のバランスは意識しました。また,年齢や性格には多様性が出るようにキャラクターを配置していきましたね。

他にも,キャラクターのイラストにおける目や顔の形などのパーツに「丸み」を持たせるように意識しました。

丸み」ですか?

はい。マナミさんは「赤ちゃん」ってかわいいと思いませんか?

えっ,はい。めちゃくちゃかわいいです!

では,人間が「赤ちゃん」をかわいいと感じる理由って思いますか?

なんだろう…。もしかしてそれが「丸み」?

そうなんです。「ベビースキーマ」という言葉もありますが,私たち人間は,赤ちゃんの丸みを帯びた身体的特徴を見て,本能的にかわいいと感じるようにできていると言われています。

ですので,キャラクターの目や顔の形に「丸み」を持たせると,男女を問わず,多くの人に愛着を持ってもらえやすくなるんです。

今回のマンガは漫画家の高枝景水さんにご担当いただきました。高枝さんの描く線はすごく柔らかくて,その柔らかさも,キャラクターが子どもたちに受け入れられる大きな後押しになっていると思います。

ことばを見たら,マンガが思い浮かぶまで使ってほしい!

この本の使い方についてもさまざまな声があります。ここに挙がっている使われ方は制作時点である程度想定していましたか?

そうですね。先ほども述べましたが,子ども1人でも読めるように作ったので,大人が付き添わなくても…というのは,ねらい通りです。

一方で,この本が親子の会話のきっかけになっているというのは,うれしい想定外でした。

何気ない日常会話で,本の中で出てきたことばを使ってもらえたらいいですよね!

はい。新しく知ったことばはガンガン使ってほしいです。

ちなみに親子で会話しながら学びを深めたいと思ったときに,保護者はどんなことを意識するといいでしょうか?

保護者のみなさんから積極的にことわざや慣用句を使うことだと思います。

保護者の方が使っていると,子どももつい真似したくなりますもんね。

少し話は変わりますが,今回の本は書名に「はじめての」と入っていますよね。実際,どのくらいまでこの本を使うのがいいでしょうか?

ことわざや慣用句を見たら,そのことばが使われているマンガのストーリーやキャラクターが思い浮かぶくらいまで,繰り返し読んで欲しいですね。

確かにストーリーやキャラクターが思い浮かべば,自然とことばの意味もわかりますよね!

ちなみにマンガを読む以外で,おすすめの使い方はあったりしますか?

個人的におすすめなのは,「二次創作」です。

二次創作」というのは,つまり自分でストーリーやキャラクターを考えるということですか?

はい。いろいろできますよ。

例えば,この本に載っているマンガ(ストーリー)を,キャラクターを自分の推しに変えたバージョンを考えてみるのも1つです。

それから,この本のキャラクターを使って,この本に載っていないことわざや慣用句のストーリーを考えてみるのもおすすめです。

それ楽しそうです!子どもたちが作った,この本に載っていないストーリーも読んでみたいですね!

SNSなどにアップしてもらえたら,とてもうれしいです。絶対読みます!

最後に,ある程度繰り返し読んだ子どもたちは,この本の次にどんな本を手に取ってほしいですか?

中学受験を見据えて,ことばをしっかりと覚えていきたいのであれば,『100%丸暗記 慣用句・ことわざ』がおすすめです。

100%丸暗記 慣用句・ことわざ

一方で,もっとたくさんのことばを知りたい,深めたいということであれば,『小学自由自在 ことわざ・四字熟語新辞典』がぴったりだと思います。

『はじめてのことわざ・慣用句 新辞典』がことわざと慣用句あわせて250語の一方で,『小学自由自在 ことわざ・四字熟語新辞典』には,ことわざ・四字熟語・慣用句などが2500語近く掲載されています。

小学自由自在 ことわざ・四字熟語新辞典

ありがとうございます。

『はじめてのことわざ・慣用句 新辞典』ことばを好きになるきっかけになって,そこからどんどん使えることばを増やしたり,ことばへの理解を深めたりしてもらえたらいいですね。

はい。前回のインタビューでもお伝えしましたが,この本の主人公である桃花のように,使えることばが増えることで,自分の世界が広がっていくという体験を子どもたちにしてほしいなと願っています。

マナミさん,SNSなどで読者からの声が挙がっていたら,また教えてくださいね。読者のみなさんの声が,本を作る上での何よりの励みになります。

もちろんです。ダッシュでお知らせします!(笑)

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