読書が好きなことはとても良いことですが、ジャンルやストーリーがワンパターンになっていないか要チェックです!
読書好きな子、映画好きな子、アニメ好きな子・・・これは大人でも同様ですが、大抵は同じ作者の同じようなストーリーが好きになったりします。
好き嫌いは「感性」ですので、好きな作家などに個人差が出てきます。
趣味としてはそれでいいのですが、国語の教科で求められる読解力とは、そういう趣味の領域のことではありません。
バランスよく、あらゆるストーリーや状況の中で、登場人物の心情を(自分の感想とは区別して)合理的に読み解く練習をしています。
つまり、「自分だったらこんな行動しないなあ」などの感想ではなく、「なぜ、私だったら行わない行動を、この登場人物はしたんだろうか?」などのように、「相手の気持ちを読み解く」ことが求められます。
よく「読書は十人十色だから、唯一の正解はない」という論調のことを言う人が居ます。
しかし、まさに十人十色だからこそ、自分と異なる意見や心情を持つ人が存在することを認め、その人の思考回路や感情の起伏がどうなっているのかをつぶさに観察して、少しでもそこで描かれたヒントの中で追体験することが求められているのです。
それが、様々な人がいる社会の中で求められる対人関係スキルの基本です。
そのため、小説文ひとつとっても、教科書で扱う小説は多様な内容になっています。
読書が好きということは得難い素養なので、それを活かして、ちょっとずつ違う作品や作者を勧めてみる。また論説文や随筆など、ジャンルのちがうものにもチャレンジするように促してみましょう。
賢者のインタビューの小金丸先生の記事の中でも、この読解の重要性について言及されていますので、ぜひ読んでみてください。