お芝居の世界で活躍するためには、どんな勉強や訓練をしておくと良いんでしょうか?
今週も引き続き、小金丸先生にお話を伺っていこうと思います。
前回の記事では、小金丸先生が学生時代にどんな勉強をしていたのか?や演出家の蜷川幸雄さんとの出会いが自分にどんな変化をもたらしたのかについてお話していただきました。
詳しくは以下のリンクから読んでみて下さい。
第3回となる今回は、これから俳優や声優、脚本家などお芝居に関わる仕事に就きたいと考えている子どもたちに向けて、先生にどんな力や姿勢が必要なのか?やどんな勉強をしておくべきか?についてお答えいただきました。
それでは小金丸先生、よろしくお願いいたします!
近年、日本ではアニメ文化が社会に浸透し、声優を志す子どもたちも増えてきました。
2017年にソニー生命株式会社が実施した「将来なりたい職業」についてのアンケートでは、「歌手・俳優・声優などの芸能人」という項目が中学生女子で1位、高校生女子で3位になったというデータもあります。
そこで、声優や俳優の後進の育成にも力を入れておられる小金丸先生に、そういったお芝居の仕事をしていく上でどんな力や姿勢が求められるのかをお聞きしてみました。
将来、声優や演劇の役者・俳優、脚本家など、お芝居に関わる職業に就きたい場合、どのような力・姿勢が必要ですか?
とにかく芝居が好きなこと!!
なるほど。学び続ける姿勢が求められるからこそ、好きな気持ちがないと続かないんですね・・・。
以前に東京理科大学の川村先生がインタビューの中で、とにかく理科が大好きだったので、今の「科学教育」という分野の研究を志したと語っておられました。
勉強というものには、筋トレ的な側面がありますので、多少それが苦であっても目標に近づくために取り組む必要があります。
しかし、自分が演じることが「好き」であり、将来的に一流の俳優・声優になりたいというゴールがないと、学び続けるモチベーションは生まれません。
ですので、まずは「芝居」というものを自分が大好きでいること。
そして、小金丸先生が仰るように現状に満足するのではなく、常に新しいノウハウや技術を取り入れ、自分を磨き続けようとする姿勢が大切です。
「好き」が自分の中にあれば、きっとそれは苦にならないはずです。
先ほど小金丸先生から芝居に携わるお仕事では、「好き」の気持ちと努力し続ける姿勢が大切というお話がありました。
次に、より具体的に小・中学校くらいの年齢からできる勉強法や身につけられる力についてお伺いしてみました。
お芝居に関わる職業を目指す小・中学生に勧めるとしたら、どんな勉強ですか?
国語力は鍛えておいた方が良い!後はコミュニケーション能力と人生経験。
学校の国語の勉強はしっかりしておかないとですね!
読解力と言ってもいろいろな側面があります。
例えば、国語のテストなどでしばしば見かける登場人物の心情や作品の主題を問う問題はまさに文章の読解力が必要な問題ですよね。
「自分ならどうする?」ということではなく、あくまでもこの作中の登場人物の立場になって「どう感じているのか?」「なぜこの行動をとったのか?」を考えることが、ここでいう「読解」です。
一方で、小金丸先生が挙げておられるように部活動や生徒会などの集団・組織の一員として活動してみるというのも大切でしょう。
なぜなら、こういう集団の中で相手の立場になって考えることや相手の指示や説明を正確に読み取ることもまた「読解」なのです。
もちろんこの「読解」する力は、お芝居に関わる仕事だけに求められるものではありません。
社会に出て、活躍していくためには、必ず求められる力です。
ぜひ、お子様にこの読解力がつくように、小金丸先生のアドバイスを実践してみてください。
さて、ここまでお芝居に関わるお仕事に就きたいと考えている子どもたちがどんな力を身につけると良いのか?どんな勉強をすれば良いのか?をご解説いただきました。
最後に、お芝居の世界を目指すにあたって役に立つ本や参考書などがあるかどうかをお聞きしてみようと思います。
小中高生にむけて、おすすめの本や参考書などあれば教えてください。
拙著「VOICE CUSSION」がおすすめです!
声優・俳優業界のリアルってなかなか知ることができないので、ぜひ読んでみたいです!
この『VOICE CUSSION』というマンガは、全4巻でサラッと読めるのですが、1つ1つのエピソードは非常に濃い上に、リアルなので、すごく勉強になると思います。
また、この作品は例え才能があったとしても、芝居が好きな気持ち、演じる覚悟、努力し続ける姿勢がないと声優や俳優としては成功することができないのだという強いメッセージ性も秘めています。
ぜひ、お芝居の世界に興味があるお子様には読んでいただきたいシリーズです。
小金丸先生、ありがとうございました。
今回はお芝居の世界で将来活躍したいと考えている子供たちに向けた内容が主にはなりましたが、求められる力の話などは普遍的なものです。
学びのヒントとしては以下の2つが重要ということが挙げられるでしょう。
この2つは、ここまでもお話してきたようにお芝居の世界に限らず、どんな職業に就いたとしても求められる力や姿勢です。
また、先生は努力し続ける姿勢を持ち続けるためには、「好き」の気持ちが大切だとお話してくださいました。
前回の記事で小金丸先生が演出家の蜷川幸雄さんに毎日脚本を書いて見てもらっていたというエピソードをお話していただきましたが、これも先生が「芝居」を心の底から「好き」だったからこそ続けられたのだと思います。
やはり、努力や自己研鑽が苦に感じられてしまうと続きませんし、まずは自分が目標にしていること、やりたいことに対して「好き」だと胸を張って言えるようになりたいものです。
今回、小金丸先生にご回答いただいた内容を、ぜひお子様の「学び」のナビゲートに役立てていただけたらと思います。
今回の記事に関連したおすすめの参考書・問題集をご紹介させていただきます。
中学 国語読解 標準問題集
○国語読解力を,StepA(基本問題)・StepB(標準問題)・StepC(実力問題)の3段階でレベルアップをはかります。
○解答編は,解答とくわしい解き方で構成しています。また,「ミスに注意」としてつまずいたり,ミスをしないようにするためのポイントを適宜示しています。
増進堂・受験研究社の『中学 国語読解 標準問題集』は3ステップ式で国語の読解力を定着させることを意図した問題集です。
さまざまなジャンルの読解問題を収録しており、読解力を集中的に鍛えたいお子様にはおすすめです。