編集者が提示した1枚のトランプ。
描かれていたのは,ハートのエイト。
それがここに至るまでの苦難の始まりだった。
場が流れるや否や,次々に繰り出される最強のカードたち。
聞いたこともないローカルルールの数々。
そして起きる革命。
絶体絶命のピンチにポワ太はどう立ち向かうのか!
いや,「大富豪」で遊ばないで!
なんで,編集者さんもノリノリなの!?
では,私は「6(サイス)」を3枚場に出して,ローカルルール「オーメン」を発動!
これで君はもう「革命」を起こすことはできないよ。
な,なんだって!
聞いたことないルール!?
え~,2人が「大富豪」に夢中になってしまい,申し訳ございません。
前回の記事は以下のリンクから読んでみてください。
謎を解き明かしたポワ太とミカン。
一件落着に思えたのもつかの間,
ポワ太は『中学 英単語2100』にはまだ気になるところがあると告げる。
果たして2人は「謎」を解き明かすことができるのか?
僕が『中学 英単語2100』を見ていて気になったことは3つある。
3つの質問にすべて答えてもらおう。
聞かせてもらいましょう。
1つ目。動詞の英単語の日本語訳を見ていて気になったことがある。
「を」をそのまま書いてあるもの,「を」にカッコをつけて書いてあるもの,そもそも「を」が書いていないもの。
よく見ると,動詞の英単語の日本語訳の書き方が3パターンに分かれているんだ。
この意味を教えてほしい。
2つ目。今度は例文についてだ。
例文の中で見出し語に当たる部分に下線が引かれているが,よく見ると見出し語ではない周辺の単語にも下線が引かれていることがある。
この下線の意味について教えてほしい。
3つ目。最後も例文についてだ。
あれだけ例文にこだわったと話していたのに,本を読み進めると,LEVEL4の「私立高校入試レベル」で突然,例文が消えているんだ。
この理由を聞かせてほしい。
言われてみたら,確かに気になることばかり…。
ポワ太,いつの間に見つけていたの?
名探偵は「謎」に引き寄せられるものなのさ。
すばらしい着眼点だ。
今,君が指摘した3つのポイントには,もちろん意味や理由がある。
でも,簡単に教えてしまうのは,つまらないから……今回はクイズにしよう!
その名も,「クイズ・タンゴネア」だ!!
ネーミングがギリギリすぎる!
全問答えてみせるぞ!
じっちゃんの名にかけて!
キャラがブレブレ!
では,第1問。
それらしく聞こえるのは,Cの「教科書の表記にあわせるため」だけど,私が使ってる教科書の動詞の日本語訳には,あんなにカッコが書いてなかった気がする。
となると,Aの「編集者のきまぐれ」じゃないだろうか。
理由や意味はあると言っておきながら,意外と適当だったりするのでは?
これまでの〈仕掛け〉にも1つ1つ理由があったし,今回に限ってそんなことはない気がするなぁ~。
悩んでいるようだね。 ちなみに「クイズ・タンゴネア」には,「ライフライン」も用意されている。
「50:50」「テレフォン」「オーディエンス」だ。
パク…オマージュを隠さなくなってきた…。
「ライフライン」ってなんだ?
クイズに答えるための「ヒント」みたいなものだ。
なるほど。ちなみに「テレフォン」というのは?
1分間だけ家族や友達に電話で相談ができるんだ。
なるほど。ミカンのお姉さんは確か高校生だったよね。 電話をかければ,Bの「高校の英語学習を見据えて」について聞けるはず。
それだ!「テレフォン」を使います!
少し姉に電話してきますね!
(あ,もしもし,お姉ちゃん。かくかくしかじかで…。)
さあ,1分が経過したぞ。
答え,あるいは答えにつながるヒントを聞き出すことはできたかな?
姉のおかげで,答えが分かった!
答えはBの「高校の英語学習を見据えて」よね。
ファイナルアンサー?
このくだりも再現するのね…。
ファイナルアンサー。
お見事!
高校での英語学習で必ず出てくる「自動詞」と「他動詞」を区別するため。
そうですよね?
その通り。
「自動詞」と「他動詞」という用語や概念については,中学校での英語学習では学習しないことも多い。
確かに中学校の授業では聞かないね。
ただ,動詞の英単語を学ぶ際に,その語が目的語や補語を必要とするのかしないのかについては知っておきたいところだ。
高校で学ぶ「自動詞」と「他動詞」が理解しやすくなるだろうからね。
この単語帳では,そうした用語を知らなくても,直感的に理解できるように次の3つのパターンで表記している。
①よく用いられる意味・用法が「自動詞」の場合→「を」を表記しない
②よく用いられる意味・用法が「他動詞」の場合→「を」を表記する
③よく用いられる意味・用法が「自動詞」「他動詞」の両方の場合→「(を)」を表記する
確かにこれだと「自動詞」や「他動詞」といった用語は知らなくても,きちんと動詞の意味や使い方を区別して覚えられそう。
続いて,第2問。
あの編集者,何だか下線を引きたそうな顔をしているぞ!
答えはAだ!
Aだけは違うでしょ!
今回はB~Dがどれも正解に見えるから悩ましい…。
ライフラインの中に「50:50」というのがあったが,これはどうなるんだ?
「50:50」は4つある選択肢をコンピューターが2つまで絞ってくれるというものだ。
では,その「50:50」とやらを使わせてもらおう。
いいでしょう。正解は次のうちのどちらかだ。
AとDが残ったか。これは,名探偵の僕にも難しいぞ…。
いや,めちゃくちゃ簡単になったよ!?
「50:50」ってもっと悩ましい選択肢を残すものだと思ってた…。
答えはDしかない!
ファイナルアンサー?
ファイナルアンサー!
正解!
これは以前のやり取りでも出てきた「コロケーション」というやつだね?
そうだ。せっかく例文をインプットするなら,見出し語だけでなく,見出し語とセットで用いられることが多い単語や表現も一緒に覚えてほしいと思ってね。
ちなみに,例文の日本語訳にも,英文に対応させて下線を引いてあるんだ。
どちらかを隠して勉強するときも使いやすいようにね。
下線1つにも〈こだわり〉があるんですね。
ちなみに下線を引いている基準は大きく分けると,次の3つだ。
①単語そのものの典型的な使われ方である場合
②中学教科書で取り上げられているコロケーションである場合
③入試で登場することが多い使われ方である場合
最後に,第3問。
今度こそ,Aだ!
これまでのやり取りの中で,かなり例文づくりに追われていた様子は伺えたからね。名探偵は見逃さない!
これまでよりはちゃんとした根拠があるけど,たぶん違うでしょ!
私はDだと思うな~。
LEVELが上がるほど,入試に近い時期に使うことになるから,短い時間で効率よく使えるようにしてくれたんじゃないかな?
名探偵としては,Bも見逃せないな。
自分で「答え(=最適な例文)」を見つけていく。
実に面白い。
また,キャラがブレてない?
出し惜しみをしても仕方ないし,最後のライフライン「オーディエンス」を使おう!
「オーディエンス」では,この記事を読んでくださっているみなさんにアンケートをとって,どの選択肢が最も正解だと思われているかを知ることができる。
読者のみなさん,オラに力をわけてくれ!
もはやミステリネタですらない!?
では,アンケートをとってみよう!
※読者のみなさんは,自分が正解だと思う選択肢を頭に思い浮かべてください。
結果が出たようだね。
Cが正解だと思っている読者が最も多いようだ。
C!私たちがノーマークだった選択肢だ。
ポワ太はどう思う?
名探偵はいつだって自分を信じなければならない。
でも,今回は読者のみなさんの声を信じよう!
答えはCだ!ファイナルアンサー!
答えを変えることはできないよ?
迷いはない!
お見事!正解!
やった!全問正解だ!
でも,なぜCが正解なの?
私立高校の入試では,長文読解問題で難しい単語を含んだ読みづらい英文が出題されることが多い傾向にある。
LEVEL4で扱っているのは,ここで出てくる「難しい単語」たちなんだ。
ただ,長文問題だから,意味さえ分かっておけば,読み進めることはできる。つまり,その単語たちを「使える」レベルにすることにこだわる必要はないんだ。
制作過程では,中学校でよく使われている英語の教科書で登場する英単語と,私立高校の過去の入試問題における英単語の登場頻度を鑑みて,LEVEL 4以降に配置する単語を決定しています。
なるほど。入試をクリアする上で,最低限必要な情報を厳選した結果なんですね。
あとは,この本をきちんと最後までやり切ってほしいという思いもあるんだ。
どうしても2100の英単語すべてに例文がついていると,どうしてもボリュームが多くなって,最後までやり切るのが大変そうという印象を与えてしまうかもしれない。
あえて情報を絞って,この本を手に取ったときに「これなら最後まで使えそう!」を思ってほしいなという私なりの願いが込められているんだ。
その願い,きっと通じますよ!
さあ,これですべての「謎」は解き明かされたぞ!
学校で流行する『中学 英単語2100』
そこに隠された数々の「謎」を解き明かした2人。
manavi探偵団としてのはじめての成果を胸に
ポワ太とミカンは帰途につくのであった。
ちゃんと仕組みや意図が分かると,本に愛着が湧いて,もっと使いたくなるよね。
帰ったらすぐに『中学 英単語2100』で勉強してみよう!
あれ?ポワ太,そっちは帰り道じゃないよ?
名探偵の勘が言っている。
あそこの書店に次の「謎」が隠されていると。
ミカン,すぐにでも調査に行こう!
わかった,わかった!
(ポワ太も英単語帳がほしくなったんだ…。)
ポワ太とミカンは帰ってくる……