【第4回】俳優・声優として活躍するために!求められる自己哲学の確立

お芝居の世界で活躍するためには、どんな勉強や訓練をしておくと良いんでしょうか?


今週も引き続き小金丸先生にお話を伺ってこうと思います。


小金丸先生のインタビューは今週が最終回となります。


前回は、役者や声優になることを夢見ている子どもたちに向けて、こんな力が求められる!こんな勉強をしておくと良い!といったお話をしていただきました。



そして、今回はそこからもう1歩踏み込んで、具体的に声優や俳優になるためにどんな道があるのか?そして活躍するためにはどういう気持ちや姿勢が大切なのか?といった疑問にお答えいただこうと思います。


お芝居の世界で長く活躍しておられる小金丸先生だからこその視点やアドバイスがたくさん詰まっています。


ぜひ最後まで読んでみてください。


それでは、小金丸先生お願いします!

■ 「学べる環境」に飛び込もう!


役者・声優になりたいと夢見る子どもたちが多くいる一方で、そういった職業を目指すためのルートって意外と知られていませんよね。


昨今、声優の専門学校もよく見かけるようになりましたが、そういった学校に通うのが良いのか、それとももっと他にルートがあるのか?


役者や声優の世界に通じている小金丸先生に、その疑問をぶつけてみました。


役者・声優になりたい場合、どのようなルートがあるのでしょうか?大学には行っておいた方がいいですか?

プロになりたいなら、一日も早くプロダクションに入る事。大学には、絶対に行っておいた方が良い。

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本気でプロになりたいのなら、一日も早くプロダクション、またはプロダクションの付属の養成所、養成機関に入る事をおすすめします。

専門学校や大学で演劇を学ぶ事も決して無駄にはなりませんが、多くのプロダクションの養成機関は教えてくれる事のレベルが違いますし、売れる為に本当に必要な技術を身に付けさせてくれます。

また、演技術だけでなく、業界のルールや、各プロダクションの経営方針、大切にしている事も教えてくれます。

大学や専門学校でどんなに優秀であろうと、必ずプロダクションの養成機関のレッスンは受ける必要があります。(速攻で大切な事を習得して、あっという間にデビューする人もいますが。)

大学には、経済的な部分と学力的な部分で許されるなら、絶対に行っておく事をおすすめします。

大学では、全国から集まって来た沢山の友人と出会う事が出来ますし、何より本当に学びたい事を学ぶ事が出来ます。

僕は役者になりたい人でも、演劇ではなく何か、何でも良いので別の事を専攻しておくと、プロになった時に役立つ事があるかと思います。

文学を学んで読解力を高めるも良し、経済学を学んでセルフマネジメントについて強くなっておくのも良いでしょう。

僕も、演劇以外の自然科学を学んでいた事が、自己哲学を確立する事にも役立ちましたし、作品を書く時のアイデアの源泉になっていたりもします。


なるほど。1日も早くプロダクションに飛び込んでいくべきなんですね。


アトミックモンキー所属で『ドラえもん』のスネ夫役などで知られる声優の関智一さんも勝田声優学院や俳協ボイスアクターズスタジオなどの養成所・プロダクションに学生時代から飛び込み、技術を磨いたそうです。


やはり本気で役者や声優になりたいと考えているのであれば、チャンスを待つのではなく、自分から専門的な技術や業界のことについて学べる場所に飛び込んでいく必要があるんですね。


もちろん、これは役者・声優の世界に限らず、様々な分野・仕事に通じることだと思います。


その道で、その分野で将来的に活躍したいのであれば、できるだけ早くから学んでおいた方が良いことは自明です。


そして小金丸先生が大学で学ぶことをおすすめしておられますが、やはり自分の専門ややりたいこと以外の部分でも、様々なことを学んでおくことでそれが他人にはない自分の強みになります。


できるだけ早く自分のやりたいことができる世界に飛び込むこと、そしてどんなことでも学ぼうとする姿勢を持つこと。


この2つを小金丸先生は唯一無二の自分を確立していく上で、大切なことだと考えておられるようです。


■ 人気のある俳優や声優に共通しているのは?


先ほど、これから俳優・声優になりたいと考えている子どもたちがどんなルートをたどれば、その夢に近づけるのかということでお話していただきました。


次に、今まさに業界の第一線で活躍されている方々は、なぜ人気で、多くの作品に出演することができるのかという素朴な疑問を投げかけてみました。


活躍している役者さん・声優さんに共通していることがらなど、ありますか?

芝居が好きなこと。そして、上昇志向を持ち続けていることだと思います。

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僕が一緒に創作活動をさせていただいている一流の役者さん、声優さんたちに共通して言える事は、常に「もっと上手くなりたい」と思っている事です。

彼らは、けして下を見ません。後ろを振り返る事もしません。

常に前だけを見て、「どうしたら自分をもっと磨けるか」「どうしたら新しい技術、表現方法を身に付ける事が出来るか」ばかりを考えています。

超ベテランの有名声優さんが、寝る時間を削って舞台をやったり、大人気声優さんたちが朗読会を行ったりするのは、けしてギャランティの為ではありません。己を磨く為です。

そして、その意識は、常にお客さん(視聴者)に向いています。

どうしたらもっとお客さん(視聴者)を喜ばせる事が出来るか、楽しませる事が出来るか。それを考え、工夫し、さらに自分を高める努力を、努力と思わずに楽しんで続ける事が出来る。

それが活躍している役者さん・声優さんたちになる条件なのかも知れませんね。


役者・声優のような職業って「才能」次第と思っていましたが、努力を惜しまない人が認められ、人気になっていくんですね。


以前にも話題に挙がっていた小金丸先生が原作を担当された『VOICE CUSSION』というマンガでまさに声優・役者業界のこういう側面が描かれていたように思いました。



本作の主人公である琴里という少女は「声」に関して天性の輝きを持っています。


しかし、先天的に持っている才能だけでは声優として活躍することはできないわけで、自分の声をお客さんに届けるべく苦心し、努力を重ねていき、少しずつ実力を認められるようになっていきます。


これは役者・声優の世界に限らないとは思いますが、人気があり必要とされる人というのは、やはり現状の自分に満足することなく、常に「自分」を磨き続けている人なんだと思います。


これまでのインタビューの中でも言及されていた「他人との出会い」もそうですし、新しい技術や演技を身につけるべく常に努力を続けていくことで、「自己」というものはより明確に確立されていきます。


そうして常に唯一無二の存在であり続ける努力をすることで、業界からも世間からも求められるようになるのだと思います。


小金丸先生のお話は、役者・声優の世界を志しているいないに関わらず、子どもたちにぜひ伝えてあげて欲しい内容です。


■ おすすめされた作品は全て見ておこう!


やはり役者・声優になるためには、既存の作品を見て勉強することは必然的に求められると思います。


しかし、映画やアニメ、演劇は今や星の数ほどに存在しているわけで、その中からどういう観点で作品を選ぶと、役者としての自分の成長につながるのかはなかなか想像できないですよね。


そこで、小金丸先生にどういう基準や観点で作品を選ぶと良いのか?についてお聞きしてみました。


勉強のためにドラマ・演劇・アニメを見る時に、どういうポイントで作品を選ぶと良いのでしょうか?

先生、先輩が勧めてくれた作品、名作は全て観る(読む)ように心がけることでしょうか。

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芝居の世界に入ると、先生や演出家、先輩俳優などが、「この作品は面白いよ」「この作品は観ておくと勉強になるよ」と沢山教えてくれます。

その時に、騙されたと思ってその作品を全部観る(読む)ことが、上達への近道だと思います。

先輩たちは、絶対に良いと思って進めてくれるワケですから、そこには絶対に理由が存在します。

それがたとえ自分の好みに合わなかったとしても、名作、話題作を知っておく事は、無駄にはなりません。

特にヒット作は、演出家、ディレクターが、演技指導の際に、「あの作品のあのシーンみたいな感じだよ」とか、「あの作品のあのキャラクターだよ」と言った風に、参考資料として持ち出す事があります。

その時に、観ていないと「観ていません」で終わってしまいますが、観ておけばイメージを共有する事が出来て、正解に近付く事が出来ます。

勧められた作品を全て観る事は、若い頃はお金も時間も無いので難しい事ですが、それをあえてやる事で、必ずレベルアップへの道は拓けます。


やはり先人のアドバイスを素直に受け入れることは非常に大切なんですね。


このお話は第2回の記事でお話しいただいた演出家の蜷川幸雄さんとのエピソードに通じる部分がありますよね。


先人が「見ておくと良い」と言っている作品には、小金丸先生も仰る通りで、何らかの推されるに値する根拠があるわけです。


そのため、何となく聞き流してしまうのではなく、とにかくそのアドバイスに喰らいついてみるというのは、大切な姿勢です。


その作品を見たことで、自分の演技に良い影響を与えることもあるかもしれませんし、オーディションや演技指導の際に生きてくるかもしれません。


まずは、先輩がおすすめしている作品はすべて見るんだ!という意気込みで、喰らいついていく姿勢を持っておきたいですね。


■ 学びのヒント


小金丸先生4週にわたってインタビューにお答えいただきまして、ありがとうございました。


manaviにて掲載している先生のキャッチコピーが「演技術を通じて若者の自己哲学を確立させる」なのですが、一連のインタビューの中でのお言葉は全てここにつながってくるように思います。


役者や声優は芸能のお仕事ですから、やはり他人との出会いの中で「自分」にしかできないことを見つけて磨く、また演技以外のこともどんどんと勉強して、自分にしかない特長を身につけるといったことは当然大事になってきます。


そうして「自己哲学」を確立していくことができれば、他の人とは違う唯一無二の自分になれるんですね。


しかし、これは役者や声優といった芸能のお仕事にだけ当てはまることではなく、他の分野や職業であっても同じことが言えます。


教育現場でも「アクティブラーニング」「主体性」という言葉が注目されるようになり、今後の社会でもますますそういった資質が重視される傾向は強まってくると考えられます。


ぜひ、子どもたちには、自分を磨くための努力を惜しまない姿勢を身につけ、常に「自分」をアップデートしていけるようになって欲しいと思います。


■ おすすめの本


今回の記事に関連したおすすめの参考書・問題集をご紹介させていただきます。


関連書籍

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今回の賢者

小金丸 大和

演出家、劇作家、脚本家、音響監督、漫画原作者として活動。
代表作『ハンマーセッション!』(週刊少年マガジンにて連載)は、TBSでドラマ化もされた。
現在は母校・桐朋学園をはじめ、様々な劇団や、俳優・声優養成所等で講師、演技指導を行っている。

小金丸先生(※小林大祐 名義)の詳しい情報はこちらから