お芝居の世界で活躍するためには、どんな勉強や訓練をしておくと良いんでしょうか?
今週も引き続き小金丸先生にお話を伺ってこうと思います。
小金丸先生のインタビューは今週が最終回となります。
前回は、役者や声優になることを夢見ている子どもたちに向けて、こんな力が求められる!こんな勉強をしておくと良い!といったお話をしていただきました。
そして、今回はそこからもう1歩踏み込んで、具体的に声優や俳優になるためにどんな道があるのか?そして活躍するためにはどういう気持ちや姿勢が大切なのか?といった疑問にお答えいただこうと思います。
お芝居の世界で長く活躍しておられる小金丸先生だからこその視点やアドバイスがたくさん詰まっています。
ぜひ最後まで読んでみてください。
それでは、小金丸先生お願いします!
役者・声優になりたいと夢見る子どもたちが多くいる一方で、そういった職業を目指すためのルートって意外と知られていませんよね。
昨今、声優の専門学校もよく見かけるようになりましたが、そういった学校に通うのが良いのか、それとももっと他にルートがあるのか?
役者や声優の世界に通じている小金丸先生に、その疑問をぶつけてみました。
役者・声優になりたい場合、どのようなルートがあるのでしょうか?大学には行っておいた方がいいですか?
プロになりたいなら、一日も早くプロダクションに入る事。大学には、絶対に行っておいた方が良い。
なるほど。1日も早くプロダクションに飛び込んでいくべきなんですね。
アトミックモンキー所属で『ドラえもん』のスネ夫役などで知られる声優の関智一さんも勝田声優学院や俳協ボイスアクターズスタジオなどの養成所・プロダクションに学生時代から飛び込み、技術を磨いたそうです。
やはり本気で役者や声優になりたいと考えているのであれば、チャンスを待つのではなく、自分から専門的な技術や業界のことについて学べる場所に飛び込んでいく必要があるんですね。
もちろん、これは役者・声優の世界に限らず、様々な分野・仕事に通じることだと思います。
その道で、その分野で将来的に活躍したいのであれば、できるだけ早くから学んでおいた方が良いことは自明です。
そして小金丸先生が大学で学ぶことをおすすめしておられますが、やはり自分の専門ややりたいこと以外の部分でも、様々なことを学んでおくことでそれが他人にはない自分の強みになります。
できるだけ早く自分のやりたいことができる世界に飛び込むこと、そしてどんなことでも学ぼうとする姿勢を持つこと。
この2つを小金丸先生は唯一無二の自分を確立していく上で、大切なことだと考えておられるようです。
先ほど、これから俳優・声優になりたいと考えている子どもたちがどんなルートをたどれば、その夢に近づけるのかということでお話していただきました。
次に、今まさに業界の第一線で活躍されている方々は、なぜ人気で、多くの作品に出演することができるのかという素朴な疑問を投げかけてみました。
活躍している役者さん・声優さんに共通していることがらなど、ありますか?
芝居が好きなこと。そして、上昇志向を持ち続けていることだと思います。
役者・声優のような職業って「才能」次第と思っていましたが、努力を惜しまない人が認められ、人気になっていくんですね。
以前にも話題に挙がっていた小金丸先生が原作を担当された『VOICE CUSSION』というマンガでまさに声優・役者業界のこういう側面が描かれていたように思いました。
本作の主人公である琴里という少女は「声」に関して天性の輝きを持っています。
しかし、先天的に持っている才能だけでは声優として活躍することはできないわけで、自分の声をお客さんに届けるべく苦心し、努力を重ねていき、少しずつ実力を認められるようになっていきます。
これは役者・声優の世界に限らないとは思いますが、人気があり必要とされる人というのは、やはり現状の自分に満足することなく、常に「自分」を磨き続けている人なんだと思います。
これまでのインタビューの中でも言及されていた「他人との出会い」もそうですし、新しい技術や演技を身につけるべく常に努力を続けていくことで、「自己」というものはより明確に確立されていきます。
そうして常に唯一無二の存在であり続ける努力をすることで、業界からも世間からも求められるようになるのだと思います。
小金丸先生のお話は、役者・声優の世界を志しているいないに関わらず、子どもたちにぜひ伝えてあげて欲しい内容です。
やはり役者・声優になるためには、既存の作品を見て勉強することは必然的に求められると思います。
しかし、映画やアニメ、演劇は今や星の数ほどに存在しているわけで、その中からどういう観点で作品を選ぶと、役者としての自分の成長につながるのかはなかなか想像できないですよね。
そこで、小金丸先生にどういう基準や観点で作品を選ぶと良いのか?についてお聞きしてみました。
勉強のためにドラマ・演劇・アニメを見る時に、どういうポイントで作品を選ぶと良いのでしょうか?
先生、先輩が勧めてくれた作品、名作は全て観る(読む)ように心がけることでしょうか。
やはり先人のアドバイスを素直に受け入れることは非常に大切なんですね。
このお話は第2回の記事でお話しいただいた演出家の蜷川幸雄さんとのエピソードに通じる部分がありますよね。
先人が「見ておくと良い」と言っている作品には、小金丸先生も仰る通りで、何らかの推されるに値する根拠があるわけです。
そのため、何となく聞き流してしまうのではなく、とにかくそのアドバイスに喰らいついてみるというのは、大切な姿勢です。
その作品を見たことで、自分の演技に良い影響を与えることもあるかもしれませんし、オーディションや演技指導の際に生きてくるかもしれません。
まずは、先輩がおすすめしている作品はすべて見るんだ!という意気込みで、喰らいついていく姿勢を持っておきたいですね。
小金丸先生4週にわたってインタビューにお答えいただきまして、ありがとうございました。
manaviにて掲載している先生のキャッチコピーが「演技術を通じて若者の自己哲学を確立させる」なのですが、一連のインタビューの中でのお言葉は全てここにつながってくるように思います。
役者や声優は芸能のお仕事ですから、やはり他人との出会いの中で「自分」にしかできないことを見つけて磨く、また演技以外のこともどんどんと勉強して、自分にしかない特長を身につけるといったことは当然大事になってきます。
そうして「自己哲学」を確立していくことができれば、他の人とは違う唯一無二の自分になれるんですね。
しかし、これは役者や声優といった芸能のお仕事にだけ当てはまることではなく、他の分野や職業であっても同じことが言えます。
教育現場でも「アクティブラーニング」「主体性」という言葉が注目されるようになり、今後の社会でもますますそういった資質が重視される傾向は強まってくると考えられます。
ぜひ、子どもたちには、自分を磨くための努力を惜しまない姿勢を身につけ、常に「自分」をアップデートしていけるようになって欲しいと思います。
今回の記事に関連したおすすめの参考書・問題集をご紹介させていただきます。
中学 国語読解 ハイクラステスト
○国語読解力を,標準レベル・応用レベル・難関レベルの3段階式でレベルアップしながら,定期テスト対策及び難関校の入試対策ができる問題集です。
○解答編は,解答とくわしい解き方で構成しています。また,「ここに注意」としてつまずいたり,ミスをしないようにするためのポイントを適宜示しています。
増進堂・受験研究社の『中学 国語長文 ハイクラステスト』は3ステップ式で国語の読解力を定着させることを意図した問題集です。
さまざまなジャンルの読解問題を収録しており、読解力を集中的に鍛えたいお子様にはおすすめです。