【第4回】岡本健先生流!家族旅行や映画を知的に楽しむコツとは?

今回が岡本健先生の最終回となっております。


最終回ということで、より一層お子様の学習に直結するようなお話もお伺いできればと思っております。


ところで皆さんは上記の画像が何のアニメの「聖地」になっているかご存じでしょうか?


実は映画『君の名は』のラストシーンの舞台となったロケーションで、須賀神社というところです。


映画が公開された2016年にはたくさんの方がこの場所を訪れたと言われています。また、この作品が「聖地巡礼」という言葉をより皆さんの身近なものにしたことは間違いないでしょう。


岡本先生が研究されているのは、まさにそんな「聖地巡礼」です。詳しくは以下の記事をご参照ください。



そして今回は「家族旅行や映画を知的に楽しむコツ」ということで、芸術や娯楽、休暇を「学び」にお子様のつなげるためのヒントを探ります。


それでは岡本先生、よろしくお願いします!

家族旅行を知的に楽しむためのコツとは?

家族旅行はお子様にとって豊かな感性や幅広い知見を養っていく上でも重要なものです。



では、その家族旅行をお子様の将来にも役立つような深い学びへと結びつけていくためには、どんな工夫が必要なのでしょうか。


観光学に関連して…家族旅行をもっと知的に楽しむためのコツってありますか?

観光を「仕掛ける人」や「地域住民」「外国人」などの自分とは違う立場の視点から観光地を見てみるようにお子様にアドバイスしてみるといいですよ。

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観光に関わっている人々にはどのような種類の人がいて、その人々はそれぞれどのような役割を担っているのか。

これを考えてみると、我々が楽しむ「旅行」にどれだけの産業や人間がかかわっているか、改めてお分かりいただけるでしょう。

航空機、鉄道、ホテル、バスといった旅行に必要不可欠な産業だけでなく、ホテルを探すのに使うスマホを作っている企業、ガイドブックを発行している出版社、旅行動機を醸成する番組を作るテレビ局だってそうです。

本当に様々なものの上に観光が成り立っていることに気づかせるだけでも、1歩先の「学び」になります。


研究・探求に取り組む子供にできるアドバイスって?

お子様が1つのことを追求していく、いわゆる研究や探求と呼ばれる学習に取り組んでいるとき、保護者の皆さまはどんな働きかけをすべきかと悩んだことってありませんか。


過剰に支援しすぎても、逆に支援しなさ過ぎてもお子様のためにならないという状況で、一体どんなアドバイスをしていけばいいのでしょうか。


ズバリ!岡本先生にお答えいただきました。


ゾンビ学を先生が打建てたように、子どもが「●●について追求する」時に保護者にどんな支援ができそうですか?

関連する情報の探し方を教えてあげてください。私が書いた「資料のえじき」という教材もぜひ参考にしてください。

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一つのことを追求する際に重要なことの一つが「情報のインプット」です。

これは本や論文を読むといった座学はもちろんのこと、テーマに関連するイベントや展覧会、博物館などの施設に出かけていくことも含まれます。

また、詳しい人や当事者に話を聞くことも重要ですし、現場に行って観察することも大切です。

研究を進める際に活躍してくれるのが図書館です。

図書館の司書は情報検索のプロですから、リファレンスサービスを行っている公共図書館を積極的に活用してみるようアドバイスするのは効果的ですよ。

学びにおすすめの映画は?

岡本先生には前回の記事でも読書の大切さを熱弁してくださいました。


では、少し趣向を変えて、おすすめの映画も教えて頂こうと思います。


本だけではなく、映画も学びのコンテンツになると思いますが、小中学生に観てもらい映画はありますか?

自分の好きな映画をとにかく何度も観てみましょう。一回目に見た時とは印象が変わってくるはずです。

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映画の見方は実は多様です。

メッセージ性の強い映画もありますが、そういった映画ですら、監督が思いもよらなかったメッセージを鑑賞者が勝手に受け取ってしまうことはよくあります。

逆に言うと、これが映画の面白さです。

唯一の「正しい見方」を押し付けるのではなく、好きな映画を一緒に何度も観て、「どういうところが面白いと思う?」と丁寧に話を聞いてあげてください。

作品を見て(観察)、それを解釈し(分析)、そこから独自に考える(考察)、これは学術的なものの見方の基本です。


映画のロケ地探訪として大きな話題になったのは、2004年春公開の『世界の中心で、愛を叫ぶ』の香川県・庵治町ですね。今も多くの観光客が訪れているようです。


テレビアニメでは、2011年に放送された『花咲くいろは』という作品の中で登場した「ぼんぼり祭り」という行事が金沢の湯涌温泉で実際に行われたことは有名です。放送終了から8年が経過した今年も地元民・観光客双方から愛される行事として開催されるというのですから驚きです。


また、7月19日より全国で上映がスタートする新海誠監督の最新作『天気の子』も気象神社といわれる高円寺氷川神社やお台場などが「聖地」となっています。


映画やアニメを見て、その舞台となった場所に旅行に行ってみるという経験もお子様にとっては貴重な経験になると思います。

学びのヒント

岡本先生今回もありがとうございました。


今回の学びのヒントとしては「芸術や娯楽、休暇も見方を変えると学びにつながる」という点が挙げられると思います。


芸術や娯楽、休暇はお子様の豊かな心を育んでいく上では欠かせないものです。


しかし、それを少し違った視点から見るようにアドバイスしてみるだけでもお子様のより深い「学び」へとつながっていきます。


また、お子様が探求や研究に取り組んでいる際に、保護者の皆さまは過剰に支援するのではなく、あくまでも少し距離を置いてアドバイスするという姿勢が大切です。


これまで岡本先生に回答いただいた内容をぜひお子様の毎日の「学び」に生かしてあげてください。


岡本先生、4週にわたってありがとうございました。

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a,-a-?a??a??a?¬a? 1/4 a??a??a?°a??a? 1/4 a??a??a? 1/2 e??e??ae??i 1/4 ?ae¨?ae??i 1/4 ?厳選した問題の演習を通して,定期テスト・入試に対応できる力を養成できます。

巻末には「入試に良く出る著者」として作家や,その作品の紹介を掲載しているので、お子様の探求や研究へのきっかけにもつながります。

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ae-´a??a??c?(C)a?>>a?§a??a??a?¨ae?°a??a?,” width=”112″ height=”159″>それぞれの人物が行った偉業やその他のエピソードを,4コママンガやイラストや年表などをまじえて紹介しています。</p>
<p>また,その人物が発した名言を解説しています。<span style=教科書で学ぶ内容だけでなく,歴史への興味・関心に応えられるように内容を厳選しています。

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どちらの本も日常の何気ない学習から、お子様が興味・関心をもって、より深い「学び」に取り組めるような設計になっている参考書です。


この参考書に書かれている内容の中で、お子様が興味を持ったものがあれば、本やインターネット等を使って調べたてみるよう促してみましょう。

今回の賢者

岡本 健

近畿大学 総合社会学部 教授。
1983年奈良市生まれ。北海道大学文学部で認知心理学を学ぶ。
同大学大学院国際広報メディア・観光学院に進学し、観光研究を始める。

博士(観光学)。専門は観光社会学、メディア・コンテンツ学。著書に『巡礼ビジネス』(KADOKAWA)、『ゾンビ学』(人文書院)、『アニメ聖地巡礼の観光社会学』(法律文化社)など多数。

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