【第3回】「フォニックス」を実践してみよう!
受験研究社・編集部 スタッフZ
こんにちは。受験研究社・編集部のスタッフZと申します。
今回は前回に引き続き、「フォニックス」について書いていこうと思います。前回の記事をまだお読みいただいていない方は、ぜひご一読いただけると、今回の記事の内容の理解が深まるかと思います。
また、以下にチェックリストを用意しました。前回お読みいただいた方も、ここにチェックが入らなかった方は、ぜひ前回の記事を読んでから、今回の記事をお読みください。
□フォニックスとは何かがわかる
□フォニックスをマスターする上でのゴールが理解できている
□フォニックスをマスターすることで身に付く力が何かがわかる
□文字を見て、「アルファベット読み」と「フォニックス読み」の両方が言える
前回の記事は以下のリンクからご参照ください。
まずは、英語の音のつくりに着目しながら、3文字の発音から実践していきます。発音パターンがわかると、知らない単語でも何だか読めそうな気がしてきます。
その新鮮さは、子どもも大人も関係ありません。保護者の方も、日本語との違いを感じながら、ぜひ英語の「音」を改めて学ぶ機会にしてみてください。保護者が楽しそうにしている姿は、子どもにも伝わり、きっと素敵な時間をつくってくれると思います。
まず英語における母音と子音についてですが、ここではわかりやすく、以下のように定義します。
母音:日本語で「ア・イ・ウ・エ・オ」に似た音
子音:それ以外の音
日本語の母音は、「ア・イ・ウ・エ・オ」の5つしかありません。
例えば、「おはよう」はローマ字で書くと、o ha yo uとなります。母音であるoとuは単独で成立しますが、子音のhやyは母音のaとやoと一緒に使っていることがわかりますね。
日本語では、母音だけで成立する音と、子音+母音で成立する音があり、子音だけで成立する音はほとんどありません 。
一方で、英語の母音は、「ア・イ・ウ・エ・オ」に似た音と表現しましたが、20~30音あると言われています。
例えば「ア」という音ですが、
ant(=アリ) / uncle(=叔父) / about(=だいたい・約)
と3語記しました。発音してみてください。
カタカナで表記すると、
アント/アンクル/アバウト
となります。いずれも「ア」に近い音なので「母音」となりますが、英語だと同じ発音にはなりません。
antのアは「アとエの中間の音」
uncleのアは「力を抜いて短く「あ」と発するような音」
aboutのアは弱母音(第1アクセントのない母音)で、uncleの「ア」よりも「さらに力を抜いて「ア」のように発音する音」
ここでは詳しい発音についての説明は避けますが、「ア」一つ取ってもいろいろな音があると理解してください。
また日本語では、子音だけで成立する音はほとんどないと言いましたが、英語の場合は子音だけで成立する音がたくさんあります。
例えば、bookですが、子音kの後には母音はありません。kだけで、「ク」という音を形成しています。
それでは、3文字の発音のパターンを見ていきましょう。まず母音と子音をたし算します。
「たし算?」となると思いますので、具体例を見ていきましょう。
(例1)母音の a + 子音の m ⇒ am
できましたね。次に、 am の前に子音の j をたし算します。
・ j + am ⇒ jam
jamという英単語ができました。
では、子音の h に am を足すとどうなるでしょうか?
・ h + am ⇒ ham
hamという単語ができました。
今度は、子音の d に am を足すとどうなるでしょうか?
・ d + am ⇒ dam
damという単語ができました。
実は,ここで作ったjam ham damという3つの単語の母音は,全て「アとエの中間の音」となっています。このような方法で3文字の単語をつくると,発音のルールも統一される場合が多くなるため,前後の子音の組み合わせと母音の発音の関係に慣れることができます。
ちなみに,今紹介したjam ham dam 以外でも,子音+( a + m )の3文字の単語では,必ず a の発音は「アとエの中間の音」になります。
他のパターンも見てみましょう。
(例2)母音の u +子音の n ⇒ un
・ s + un ⇒ sun
・ r + un ⇒ run
・ b + un ⇒ bun
このsun run bunの3つは,どの母音も「力を抜いて短く「あ」と発するような音」になっています。
では「o」の場合でも見ていきましょう。
(例3)母音の o +子音の t ⇒ ot
・ h + ot ⇒ hot
・ d + ot ⇒ dot
・ p + ot ⇒ pot
このhot dot pot における「o」はそれぞれ「あ」と「お」の中間のような音で発音されます。
いかがですか? フォニックス読みを使った「音の足し算」の感覚をつかんでください。
フォニックスは、初見の単語を読めるようにすることが目的です。なぜなら、読めない単語は頭の中に入らないからです。
お子様に「bunってどういう意味?」と聞かれるかもしれません。意味は教えてもいいですが、今の段階では覚えさせる必要はありません。
あくまでも、まずは「読める・発音できる」を優先させてください。(ちなみにbunは「丸いパン」のことです)
弊社の教材、『小学自由自在英語』で取り上げている「母音+子音」のペアは全部で18個あります。
ここでは、-ug , -un , -ut , -up の4ペアを紹介しています。
例えば、mug ですが、 m + ug と分解できますね。
実際に私が子どもに教えていたときは、手拍子をたたきながら、
「 m m mug ハイ! 」
「 m m mug 」
「 h h hug ハイ!」
「 h h hug」
のようなやり取りをしていました。
子どもはリズムで勉強するのが大好きなので、手拍子だけではなく、ノリのいいジングル(ハードロックやヒップホップではありません(笑))を流すのもいいでしょう。
前回の記事でも紹介しましたが、弊社の教材『Enjoy! Phonics』には、音声CD-ROMがついており、それぞれのペアをノリのいいジングルを用いて紹介しているので、おすすめです。
こちらがジングルのサンプルです。
『Enjoy! Phonics (1)(上巻)』
★つづりと発音との間の規則性を学び、正しい読み方を学習する「フォニックス」の学習参考書です。
★音声データ(CD-ROM)付属で、発音とともに小学校で出てくる英単語を書けるようにします。
?詳しくはこちらから
また先ほど紹介した教材ですと、それぞれの単語の上にイラストもついていますので、非常にわかりやすいですし、何よりも「日本語」で訳す必要がないので、使い勝手がいいと思います。
なんだよこの人宣伝が多いな、と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、「いいものはいい!」と思うスタイルですので、予めご了承ください(笑)
『小学自由自在英語』
★ABCから中学初級の学習内容までをカバーしているので,小学生として最高レベルの英語が身に付きます。新学習指導要領に対応して編集しています。
★フォニックスや英検対策にも対応しています。音の学習に最適なフォニックスや英検対策のコーナーも充実し,幅広いニーズに対応します。
★リスニング力を鍛えます。音声CD7枚分以上の音声を本文のQRコードからスマホなどで再生できます。HPからダウンロードもできます。
?詳しくはこちらから
今回は特別に、小学自由自在英語で取り上げているペアと単語の一部を紹介します。
他にもこれらのペアを使った3文字発音はたくさんありますので、昔学んだことを思い出しながら(笑)ぜひ親子で3文字発音を楽しんでください。
お疲れさまでした。今回はこれで終了です。次回は、4文字発音(magic e)を紹介しますので、復習を忘れないようにしてくださいね!
それでは次回もよろしくお願いします。