【第4回】4文字発音をマスターしてフォニックスの「幹」を作る
受験研究社・編集部 スタッフZ
こんにちは。受験研究社・編集部のスタッフZと申します。
前回に引き続き、フォニックスについて書いていきます。
フォニックスに関する記事は今回が3回目となり、そして最終回となります。まずは、これまでの記事でどんなお話をしてきたのかについて振り返りをしておきましょう。
1回目は、アルファベット読みとフォニックス読みの違い、2回目は3文字発音について解説いたしました。
そして3回目である今回は4文字発音についてご説明いたします。4文字発音は、いわゆる「Magic e」と呼ばれているもので、3文字発音のルールとは全く異なります。
小学生に教えていたときに、3文字発音→4文字発音の切り替わりには、非常に気をつかっていました。ただ単純にルールを教えるだけだと、混乱してしまう生徒が多かったからです。
お子様に4文字発音についてお話しするときには、しっかりと3文字発音のルールを踏まえたうえで、「違い」を意識して説明するよう心がけてください。
3文字発音については、前回の記事をご確認ください。
今回の記事では、まず簡単に3文字発音について振り返りをした上で、4文字発音についてご説明していけたらと思います。
それでは、てはじめに、以下の5つの単語を声に出してみましょう。
・cap
・pin
・cut
・pet
・hop
いかがですか? すんなり声に出すことができましたか? 「発音に自信がない」という方は、ぜひスマホで単語を調べてみてください。
「Weblio英和辞書」や「goo辞書」で調べると、スピーカーのマークが出てきます。このマークをタップすると、その単語の音が流れます。
また、家電量販店などで電子辞書を購入していただきますと、気軽に単語の音を調べることができます。少なくとも私が受験生だったころには、こういった「便利グッズ」は今ほどメジャーな存在ではありませんでした。
しかし、今は様々な便利グッズが気軽に利用できます。こういったツールを使いながら、効率的に英語を学習していきましょう。
3文字発音の確認が終わったところで、いよいよ4文字発音、Magic eの説明に移ります。
先ほど確認してもいらった5つの単語の中に、「cap」という単語がありましたが、この単語の語尾に e をつけてみましょう。
cap → cape
さて、語尾にeがつきましたね。それではそれぞれの単語を声に出して読んでみましょう。
c + ap ⇒ cap
大丈夫ですか? 「音の足し算」ですよ! カタカナで表記すると「キャップ」ですね。
c + ap + e ⇒ cape
このeは発音しません。Magic e は「silent e(音にしないe)」とも呼ばれています。
「え?全然magicじゃない!」と思われる方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
この形(子音字 + a + 子音字 + e)の場合、母音のaは、「フォニックス読み」ではなく、「アルファベット読み」つまり「ア」ではなく、「エイ」に変えて、音の足し算をします。
カナカナ表記にすると、次のようになります。
ク + エイ + プ ⇒ ケイプ
「カペ」ではありませんよ(笑)
語尾にeが登場すると、「フォニックス読み」から「アルファベット読み」にかわる、そう、「魔法」がかかるのです。(ちなみに、この単語の意味は、「岬」です)
なんとなくわかりますか? いくつか例を見てみましょう。
tape / lake / game
音にできますか? 「知っている単語」と思わず、「Magic e」と「音の足し算」を意識しながら声に出すとよいでしょう。
・t + a(エイ) + p + e ⇒ テイプ
・l + a(エイ) + k + e ⇒ レイク
・g + a(エイ) + m + e ⇒ ゲーム
「フォニックス読み」のほかに「アルファベット読み」のルールが組み合わさり、さらに「読まない文字」が出てきたのです。
冒頭「混乱してしまう生徒」が出てくるのは、このためです。もし、「フォニックス読み」や「3文字発音」や「音の足し算の感覚」にまだ慣れていないようであれば、ぜひ、前の記事をもう一度復習してください。
学習は、「早ければいい」わけではありません。じっくり、腰を据えて、落ち着いて、楽しみながら。
「じっくりやったらわかった! 勉強って楽しいね! わかるって楽しいね!」なんてコメントがお子様から出てくれば、最高ですね!
それでは、先ほど3文字発音で確認した残りの4つの単語も確認していきます。ルールは一緒です。
子音字 + 母音字 + 子音字 +e の場合、母音字は、「アルファベット読み」にかわる
ただそれだけです。では、確認していきましょう。
・pin ⇒ pine … プ + アイ + ン ⇒ パイン(松の木)
・cut ⇒ cute … ク + ユー + ト ⇒ キュート(かわいい)
・pet ⇒ Pete … プ + イー + ト ⇒ ピート(人名:ピート)
・hop ⇒ hope … ホ + オウ + プ ⇒ ホウプ(希望)
どうですか? 簡単じゃないですか?
ここで、再度確認します。フォニックスは、「見たことがない単語でも音にできるようにするための学習法」です。
欲張って、「単語の意味も併せて覚えさせなきゃ!」はやめましょう。まずは単語を音にできれば「それでよし!」です。
音がわかれば頭の中に入ります。逆に言うと、音にできない単語は頭の中に入りづらいのです。
それでは、何パターンか確認してみましょう。
こちらは、みんな大好き(笑)弊社の、『小学自由自在英語』という教材の抜粋です。
画像を見ながら、音声を確認してみてください。
音声「a-e」
音声「i-e」
音声「e-e」
音声「o-e」
音声「u-e」
さらに詳しくフォニックスを学習したい方は、
『Enjoy! Phonics ②(下巻)』 もおすすめです!
『Enjoy! Phonics ①』は「3文字発音まで」でしたが、『Enjoy! Phonics ②』は「4文字発音から」掲載されています。
また、ここでは紹介しない、「子音+子音」や「母音+母音」も掲載されていますので、「フォニックスをさらに極めたい!」という方は、ぜひご購入下さい。
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★つづりと発音との間の規則性を学び、正しい読み方を学習する「フォニックス」の学習参考書です。
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「『子音+子音』や『母音+母音』は記事として扱ってくれないんですか?」というご意見をいただきそうですが、全3回にわたって扱ってきた「フォニックス読み」「3文字発音」「4文字発音」が木の「幹」だとするならば、「子音+子音」「母音+母音」は木の「枝葉」と言ってもいいでしょう。
ルールというよりかは、「こういう風に読めばいいんだ」と確認がメインになりますので、あしからず。
さて、フォニックスをマスターすると、すべての単語の約7割は「音にする」ことができるようになります。
「7割?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、逆に7割読めれば大したものだと思いませんか? ルールには「例外」がつきものです。
ではちょっとしたクイズです。先生と生徒の会話だと思ってご覧ください。
Magic e理解できたかな?
もうカンペキです!
よし! えらいね! じゃあ、先生からクイズを出すぞ!
クイズ⁉(ドキドキ)
さっき、子音字+a+子音字+eの時、aは「アルファベット読み」するって習ったでしょ?
はい。takeみたいなやつですよね?
そうそう。じゃあ、そのルールに当てはまらない4文字の単語を一つ思い出してくれるかな?(黒板に_a_eと書く) ヒントは、とってもメジャーな単語だね!
え? え~と…
私は、このMagic eを教える場合、必ず上記のような「例外」を考えさせました。今、例外を考える時、頭の中でルールを再確認しませんでしたか? この作業が大事なのです。
「例外」を考えることは、「ルールを再確認する」こととイコールだと思います。大事なルールを定着させるためには、このような手段を使うことも有効なのです。
また、今後英語を勉強していくうえで、他にも「例外」の単語が出てくると思います。そのときは、ぜひその都度「ルール」も併せて確認してみてください。
今回の連載企画は、国語は小池先生、数学は迫田先生と、とても素敵な先生ばかりです。
「小池先生 凛々しいな」とか、「迫田先生 イケメンやな」とか思っている方も多いのではないでしょうか。(あの二人の大先生の前で、僕の姿をさらすわけにはいきません…(笑))
迫田先生は、「数学・英語のトリセツ!」というYouTubeチャンネルで動画を配信しています。ここで、迫田先生と一緒にやっている英語の先生が、このMagic e(silent e)の解説もしていますので、ぜひご覧になってください。
お疲れさまでした。フォニックス解説シリーズはこれで終了です。
次回からは趣向を変えて、「英検®」に関する基礎知識についてお話ししたいと思います。
また、「このテーマを取り上げてほしい」というリクエストがありましたら、ぜひmanaviのお問い合わせフォームまでご連絡ください。
質問フォームは⇨こちらから
それでは次回もよろしくお願いします。
※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。
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