音読ってどんな効果があるの?英語の音読を習慣化する2つのメリットをご紹介!

【第9回】英語を英語のまま理解するカギは「音読」にあり。
受験研究社・編集部 スタッフZ

こんにちは。受験研究社・編集部のスタッフZと申します。

前回は、「大学入学共通テスト」に関する情報をお伝えしました。

読んでいただいた方は、去年までのセンター試験の英語と大きく変わったと驚かれた方も多かったのではないでしょうか。

まだお読みでない方は、ぜひご一読いただければと思います。

さて、今回は、英語学習法に関する内容に戻ります。今回取り上げたい内容は、ずばり、「音読」です。

私が以前勤めていた学習塾では、フォニックスの学習と並行して、音読を取り入れていました。「フォニックス=文字を音にすることに特化した学習」であるのに対し、「音読=音声と文字と意味を結びつける訓練」と定義することができるでしょう。

「フォニックス」については、以前ご説明いたしましたので、まだお読みでない方や、フォニックスについて再度確認されたい方は、ぜひ再度お読みいただければと思います。

「音読」は,非常に役立つものですが、その中でも今回の記事では2つのメリットを取り上げます。

「音読」の2つのメリット

①音声と文字が結びつく
②自動化の英語の回路ができていく

では、本論に入る前に少し「音を結びつける」ことそのものの重要性についてのお話をさせていただきます。

▲目次に戻る

なぜ、音声を結びつけることが大切なのか?

ところで、皆様にとっての「英語の勉強」とは何でしょうか?

私が大学受験生だった時に一番時間を割いて学習したことは、ずばり「単語の暗記」です。単語帳を1冊買って、学校までの行き帰りの電車の中で、一生懸命単語を覚えたものです。

その単語帳には、左に英単語、右に日本語訳が書かれていましたので、日本語訳の部分を折りたたんで隠し、英語を見てその日本語訳がすんなり出てくるまで、一生懸命暗記しました。

そうです。これがまさに「文字と意味の結びつけ」です。

先日書店に行ったとき、私が受験生だった時に使っていた単語帳が、まだ「ベストセラー」として置いてありましたので、今の受験生も私と同じように単語帳を使って一生懸命単語を覚えているんだろうなあと思いました。

しかしながら、「文字と意味」を結びつける学習には大きな弱点があります。それは「音声」が結びつかないことです。

前回の記事で「大学入学共通テスト」について説明しましたが、思い出してください。共通テストの配点はリーディングとリスニングの配点が1:1でしたね。

前もお話ししたかもしれませんが、人は自分が発音できないものは聞き取ることができません。これも以前出した例ですが、daughterのスペリングを覚えるために「ダウグハッター」と覚えている方は、実際にdaughterと発音されても「???」となりますよね。

そしてこれが文の一部で使われるとしたら、きっと「ダウグハッター」組は太刀打ちできないでしょう。なぜなら何を隠そう、私も「ダウグハッター組」だったからです笑。

さらに、リスニングテストや英語を話す外国人を想像してください。

単語1語…ではないですよね? 主語と動詞のある文の形で読まれますよね。

そして、単語1語1語丁寧に読まれますか? そんなことはないですよね。

1つの単語に強く読まれる部分と弱く読まれる部分(アクセント)があるように、文の中でも強く読まれる部分と弱く読まれる部分があります。そして、単語と単語がつながって聞こえることもありますね。

これは私が講師をしていたときに、半分冗談で半分真面目に生徒たちに話していたことを再現します。皆様も聞いたことがあるかもしれませんが、少々お付き合いください。

とある田舎で、外国人が芋畑をいじっていました。その時、その土地の持ち主のおじいさんが、「掘った芋、いじるな!」といったそうな。するとその外国人は、 “Oh, it’s three o’clock!”と言ったそうです。なぜこんなことが起きたのでしょうか。

「掘った芋」⇒「ほったいも」⇒ What time /
「いじるな!」⇒ is it now?


つまり、外国人は、”What time is it now?” 尋ねられたと勘違いしたのです。

だれですか? 「つまらない」とか言っている方は?笑

真面目な話に戻りましょう。今回のケースでは、

① tが連続しているので,最初のtが弱音化されます。
② mの音とiの音がくっついて「ミ」のように聞こえます
③ sの音とiの音がくっついて「ジ」のように聞こえます
④ tが弱音化されます


⇒ 「掘った芋いじるな」⇒「ほったいもいじるな」⇒「ゥワッタイ(ミ)イジナ」

に聞こえてしまったと言うことです。(文字で説明すると恥ずかしいですね…)

このように文になると,一部の音がくっついたり,弱くなったりすることがあります。

英語のリスニング力を強化するためには、一つの単語を正確に発音できるようにすることも大事ですが、1つの英文に対して、母音と子音を意識しながら、音声変化や強弱(リズム)、そして抑揚(イントネーション)も意識しなければならないのです。

英語においては「聞き取ることができる」「発音できる」といった音声の部分が非常に重要であり、これらが揺らぐと意思疎通をうまく図れないなんてことも起こりうるわけです。

▲目次に戻る

音読がなぜ「文字と音の結びつけ」に有効なのか?

例えば、こんな勉強法はどうでしょうか。

目の前に一冊の絵本を用意しましょう。できるだけ、ネイティブの音声がついている絵本を用意してください。

まず絵本を広げて、ネイティブの音声を聞きましょう。その音声を聞きながら、フォニックスを利用して、単語一つひとつの音を確認してみてください。

また、絵がついているようでしたら、その単語を表す絵を一つ一つ確認してみましょう。確認が終わったら、ネイティブの音声を何回か聞いてみましょう。

そして聞き終わったら「じゃあ、まねしてみよう!」と促してみてください。うまくいったら褒めることを忘れずに! ちょっと違ったら音声をもう一度聞いて、物まねを促してみてください。

はい、これが音読です。

この音読ですが、先ほどお子様に「音声と文字と意味を結びつける訓練」と説明いたしました。

音声と文字、結びついていますよね。文字と意味も結びついています。そして音声と意味も結びついています!しかもネイティブの音声をモノマネすることによって、音声変化も、強弱も、抑揚も身につけることができるようになるのです!

さらに自分が発音した英語を自分の耳で聞くことになりますので、自然にリスニング力が上がります。一石二鳥どころではありませんよね!

実際に、私が勤めていた塾の生徒たちが英検®を受験した際に、最初に得点力が上がるのがリスニングでした。リスニング先行で点数がとれるようになり、知識や文法系の問題はそのあとについてくるといった感じでした。リスニングが苦手な方からすると、かなりうらやましい状況なはずです。

さてこの音読ですが、頑張って続けていると、さらにいいことが起こります。

▲目次に戻る

音読で得られる「さらにいいこと」とは?

みなさんは「自動化」という言葉をご存知でしょうか。「自動化」とは、知識を無意識的に使えるようにすることです。

例えば、先ほど出てきた “What time is it now?”というフレーズですが、「自動化」ができていると、いちいち頭の中で和訳しないでも意味がわかります。

逆に「自動化」ができていないと、「”What time”は『何時に』って意味で、 “now”は『今』って意味で…、」「あ、『今何時ですか?』って意味だ!」と理解するのに時間がかかってしまいます。

「自動化」できるようになると、いちいち頭の中で訳すのではなく、英語を英語のまま理解し使えるようになりますので、読むスピードもあがりますし、英語を聞いて英語のまま理解できるようになります。

そして、私が何を言いたいかもうわかりましたね。そうです! 

音読は英語を「自動化」するためのトレーニングにとても適しているのです!

同じ表現を何度も何度も声に出して音読することによって、いちいち訳さなくても意味がわかるようになります。

そして「いちいち訳さなくても意味が分かる英語表現」が増えれば増えるほど頭の中で「英語を英語で理解できる回路」が作られていくのです。

この回路ができてくると、「共通テスト」などで示されたトレンドでもある短い時間でより多くの英語の情報を処理するような試験にも活きてきます。

▲目次に戻る

音読を習慣にしていこう!

いかがでしょうか。音読をすることで、英語を「聞く」ことも「読む」こともできるようになりますね。

そしてインプット量が増えれば増えるほど、それをアウトプットしたいと思いますので、英語を「話す」ことにもつながりますし、時間がたてば「書く」ことにもつながっていくのです。

もし、今、目の前に受験生時代の私がいたら、

単語をコツコツ覚えるのも大事だけど、ちゃんと音声と結びつけてるか?長文読解は大事だけど、長文読み終えたら仕上げに音読してるか?

と尋ねることでしょう。もししていないようなら、理解してくれるまで根気強く説得し続けるでしょう笑 

しかし、音読はそれくらい、素晴らしい勉強法なのです。小学生だろうが、中学生だろうが、高校生だろうが、ぜひ音読を英語学習の一つに付け加えてほしいと思います。

では、小学生にはどんな音読が適しているのでしょうか。どんな教材を使えばいいのでしょうか。そして正しい音読のやり方とは何でしょうか。それは次回じっくりご説明いたします。

お読みいただきありがとうございました、また次回もよろしくお願いします。

著者紹介

株式会社増進堂・受験研究社 編集部スタッフZ


某国立大学にて教育学を学ぶ傍らで、塾講師のアルバイトに取り組む。その中で英語教育法や教材作成に関心を抱き、卒業後に株式会社増進堂・受験研究社に就職。 これまでに文部科学省検定教科書の編集や多数の参考書・問題集の制作に関わる。最近は、オンラインでの語学教育にも関心がある。

▲目次に戻る